2013 Fiscal Year Annual Research Report
投げ縄構造を有する抗結核ペプチド、ラリアチンの改変と化合物ライブラリーへの応用
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23510282
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
猪腰 淳嗣 北里大学, 薬学部, 准教授 (30151640)
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Keywords | 感染症 / 抗生物質 / 抗結核活性 / ペプチド / 構造活性相関 |
Research Abstract |
昨年度外部への委託によって取得したプロペプチン生産菌Microbispora rosea IFO14044のドラフトゲノムを解析した結果、本菌が生産するプロペプチン生合成遺伝子クラスターを推定することに成功した。本年は、この遺伝子クラスターを異種微生物で発現させ、生合成遺伝子を同定することを目的に研究を実施した。また、Streptomyces avermitilis MA-4680のゲノム上に見出された未知のラッソペプチド生合成遺伝子クラスターの発現を行った。 得られた情報と我々がクローニングしたラリアチン生合成遺伝子クラスターと比較し、プロペプチン遺伝子クラスターは前駆体ペプチド(PrpA)、環形成酵素(PrpB)、機能未知タンパク質(PrpC)、プロテアーゼ(PrpD)に対応することがわかり、ORFの並び方も両者で同一であることが明らかとなった。しかし、ラリアチンクラスターでは最も下流にコードされていたABCトランスポーターに相当するORF(LarE)はプロペプチンクラスターには見出されなかった。そこで、Prp生合成遺伝子クラスターをRhodococcus-大腸菌シャトルベクターのプロモーター下流につなげ、ラリアチン生産菌Rhodococcus jostii K01-B0171のラリアチン前駆体タンパク質欠損株に形質転換し、異種発現を試みた。 一方、Streptomyces avermitilis MA-4680のゲノム上には2組のラッソペプチド生合成遺伝子クラスターが見出されており、本研究ではラリアチンと類似した遺伝子クラスターについて、Prp生合成遺伝子クラスターと同様な手法で異種発現させた。形質転換体の生産物をHPLCで分析した結果、元株にはない新たなピークが検出された。今後、このピークを中心に解析を進め化合物を同定することによって組み換えラッソペプチドの生産系が確立できるものと期待される。
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