2014 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類精子の真空乾燥及び室温保存法の開発:究極の長期室温保存法を目指して
Project/Area Number |
23510299
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
多田 昇弘 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50338315)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | マウス / 精子 / 真空乾燥 / 室温保存 / 長期保存 / トレハロース / 顕微授精 / 受精 |
Outline of Annual Research Achievements |
今までの研究において、マウス真空乾燥精子の室温保存における、トレハロース (Tr.)、ポリフェノール (epicatechin: EC)およびアスコルビン酸 (Asc.)の有効性を明らかにすると共に、これらを含む保存液にて、約1.5年室温保存した精子から、産仔を得ることに成功した。しかし、未だ産仔への発生能が低いことから、保存液、 乾燥・保存法の検討が必要である。そこで、本研究では、Methyl-beta-cyclodextrin(MBCD)を用いて、コレステロールを除去した精子を真空乾燥・室温保存し、復水後の受精能および発生能を確認した。 精巣上体尾部精子を、0mM, 0.75mM, 7.5mMおよび75mM MBCDで前処理後、1M Trを含むTris-EGTA-100μM EC + 100μM Asc.保存液に各々懸濁し、マイクロチューブに移した後、デシケーター内で、一晩、室温下にて真空乾燥を行い、常圧下にて7日~30日間室温保存した。保存後、精子を復水させ、ICSIにより受精能および胚盤胞への発生能を確認した。 0mM, 0.75mM, 7.5mMおよび75mM MBCDで前処理後、7日間室温保存した精子の受精率は、各々95.7%, 91.7%, 87.2%および86.0%であり、有意な差は認められなかった。また、胚盤胞への発生率は、各々17.8%、29.5%, 0%および5.4%であった。一方、30日間室温保存した精子の受精率は、各々97.1%, 95.7%, 90.9%および86.1%であり、有意な差は認められなかったが、胚盤胞への発生は0mM (14.7%)および0.75mM (27.3%)のみ認められた。以上のことから、MBCDで前処理した真空乾燥精子の受精能は、MBCDよる影響は認められないが、高濃度で、胚盤胞への発生は低下することがわかった。
|
Research Products
(3 results)