2012 Fiscal Year Research-status Report
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23510303
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡邉 浩平 北海道大学, 大学院メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (50333638)
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Keywords | 国際情報交換 / 中国 / メディア / ジャーナリズム |
Research Abstract |
「中国メディアにおける民間セクターの研究」は、これまで中国共産党の「宣伝(プロパガンダ)」として位置付けられてきたメディアを「産業」という視点からとらえなおし調査研究することにある。本年度の作業の中心は、昨年度の事前調査を踏まえて、民間セクターの具体的な動きを捕捉することにある。 まず昨年度同様に、本助成金で講読をしている中国のメディア研究誌での議論や、さらに北海道大学図書館で使用可能な中国の定期刊行物データベース「中国知網」などを使い、当該研究テーマである中国における「文化体制改革」とメディアの市場化、産業化についての論文を検索収集し分析を行った。さらに、平成24年9月に訪中をし、社会科学院新聞研究所、北京大学、清華大学のメディア研究者を訪問、メディア産業の動向について取材を行った。あわせて、在北京のメディア関連の日系企業をまわり、中国の文化産業について聞き取り調査を実施した。 年度後半は、上記の知見に基づき調査票を作成し、調査会社を通じて、テレビ制作会社数社と、アニメマンガ制作会社数社に対して聞き取り調査を実施。調査についてはこれから分析を行うが、近年の文化体制改革により、放送業界、アニメ産業とも、産業振興政策の恩恵に浴していることが明らかになった。しかしながら、現場においては、文化産業の開放について、さまざまな制約があり、産業としてより大きな飛躍が難しい点が指摘された。 さらに平成25年3月に別件で訪中し、アモイ大学メディア学院、大連理工大学メディア学院、中山大学メディア学院を訪問し、メディア研究者と意見交換をはかり、新たな習李体制下でのメディア産業の変化の聞き取り行った。また、北京ではテレビ、新聞の記者に現下のメディアの管理の情況について取材をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は二年目の中心となるメディア産業における民間セクターへの定性調査を実施した。テレビ制作会社、アニメマンガ制作会社を民間セクターの代表として数社抽出し、その生の声を収集、問題点の洗い出しを行った。よって、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き中国のメディアの研究誌やアーカイブを通じて、文化産業についての動向を追う。平成25年度は24年度に実施した定性調査の調査結果と近年の文化体制改革の進展をつきあわせ、分析を行う。同時に、近年のメディア産業における成功事例をいくつか取り上げ、ケーススタディーを行う。その結果を持って、年度内に訪中し、中国のメディア研究者と意見交換をはかる。次年度は最終年度のために、本年度で得られた知見を整理し、中国と日本で調査結果のフィードバックを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
11円は平成25年4月末未払い金である。中国メディア関連の定期刊行物の費用として30万円を、さらに訪中費用として20万円を、研究補助費として10万円を想定している。
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