2011 Fiscal Year Research-status Report
移民コミュニティの動態に関する研究:マレーシアのインドネシア人学校の変遷を中心に
Project/Area Number |
23510333
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西 芳実 京都大学, 地域研究統合情報センター, 准教授 (30431779)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | マレーシア |
Research Abstract |
マレーシアを事例として、国外から移民が流入する状況と、それによってマレーシア社会の多民族状況が強まり、そのなかでマレーシアに居住する人々がどのように共生を試みているかについて現地調査と文献調査を行った。国外からの移民については、インドネシア人移民について、マレーシアで設立されたインドネシア人学校を調査し、外国人子弟のための初等中等教育の形成過程について情報収集した。その成果は「サバ州のインドネシア人学校」などの論考によって発表した。マレーシアに居住する人々が多民族状況の中でどのように共生をはかっているかについては、本年度は学校教育の現場の状況に焦点をあて、マレーシアの図書館等で文献調査を行った。その結果を踏まえて、マレーシアから教育の専門家を招聘して公開ワークショップ「「女性らしさ」の冒険――「愛しい母」ヤスミン・アフマドの思い出とともに」を開催し、意見交換を行った。送り出し地域であるインドネシア、特にスマトラ社会における移動の意味について、災害などの緊急時に社会的流動性を高めることで対応するあり方について現地調査を行い、「Social Flux and Disaster Management: An Essay on the Construction of an Indonesian Model for Disaster Management and Reconstruction」により発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)マレーシアにおける移民・難民受け入れに関する新聞記事の購入および電子化を当初の予定通り進めた。(2)マレーシアにおけるインドネシア人コミュニティについて現地調査を行い、インドネシア人学校の担当者と良好な関係を構築し、情報収集を進めた。(3)マレーシアの定期刊行物を参照し、マレーシアの多民族状況に関する現在の課題について理解を深めた。(4)マレーシアの社会と歴史に関する図書一式を購入した。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)マレーシアにおける移民・難民受け入れに関する新聞記事の購入および電子化を引き続き進める。(2)マレーシアにおけるインドネシア人コミュニティについて現地調査を進め、インドネシア人子弟の家庭の訪問調査を試みる。(3)マレーシア現代史における移民系住民の子弟を対象とする学校教育の変遷について文献をもとに整理する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)マレーシアにおける移民・難民受け入れに関する新聞記事を購入し、謝金により電子化を進める。(2)国外旅費(10日間)によりマレーシアにおけるインドネシア人コミュニティについて現地調査を進める。車両借り上げや現地協力者謝金支払いにより、調査の円滑化をはかる。(3)マレーシアの教育関連資料一式を購入する。
|