2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23510346
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
大谷 昌弘 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (20372500)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 性差医療 / 胃癌 / エストロゲン / SERM |
Research Abstract |
【研究目的】胃発癌における性差のメカニズムを検討し,治療・予防に応用する。【研究方法】H.pylori感染胃発癌マウスモデルを用いて,これまでに17βエストラジオールが胃発癌抑制効果を示すことを報告した。今回は骨粗鬆症に対する治療薬として使用されている選択的エストロゲン受容体モデュレーター(SERM)を胃発癌マウスモデルに投与し,その胃発癌抑制作用を検討する。【研究計画と結果】3年計画の初年度は有効血中濃度を得るための投与方法を検討した。食餌に混入しての経口投与は,マウスの摂餌量と血中濃度の関係の評価が困難であり,施行は難しいと判断した。皮下注射による投与法は水に不溶性などの同様な性質をもつエストロゲンα受容体作動薬のPPTを用いて予備実験を行った。卵巣摘出マウスに対してPPTをDMSOで溶解後にcorn oilで希釈して皮下注射を3カ月間行い,そのPPTの投与効果を子宮重量を対照群(卵巣摘出マウス)と比較した。PPT投与マウスの子宮重量は対照群比較して高い傾向にあったが,その効果は限定的であった。また,希釈溶媒のcorn oilが皮下に多量に貯留し,薬剤の吸収不良をきたしたものと考えられ,本方法は長期投与には適さないと判断した。故に,以前の研究で良好な薬剤血中濃度と臨床効果が得られていたtime release pelletによる皮下投与法を調整する方針とした。本研究で使用するSERMのtime release pelletは市販されていないものの,custom pelletとして特別作成を依頼した。SERMのラロキシフェンのtime release pellet用いて,次年度に本実験を遂行する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を遂行するにあたり,重要なことは十分にかつ安定した血中濃度を維持できる薬剤の投与方法を決定することであり,経口投与法や皮下注射法では十分な結果が得られないため,time release pelletを皮下に埋め込む方法を選択した。これにより次年度は予定通り本研究を遂行することが可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目にあたる本年度は予定通り,マウスへの薬剤の投与及びH.pylori感染を行い,約9カ月にわたる動物実験を遂行する。現時点は特に問題点は生じてはいない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究に使用するtime release pelletはcustom pelletであり,一般には市販されてはいない。故に,作成に数週間の時間とコストがかかる。そのためあらかじめ本年度の費用をpellet用に確保している。次年度は感染実験の遂行し,解剖と解析の開始を始める段階と推測され,試薬等に研究費を使用する予定である。
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