2011 Fiscal Year Research-status Report
男女共同参画政策の推進に向けた評価に関する調査研究
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23510352
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
内藤 和美 群馬パース大学, 保健科学部, 教授 (00217621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山谷 清志 同志社大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90230599)
高橋 由紀 独立行政法人国立女性教育会館, その他部局等, 研究員 (50280649)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 男女共同参画 / 政策 / 行政計画 / 拠点施設 / 評価 |
Research Abstract |
「男女共同参画政策の推進のための評価に関する調査研究」の第1段階調査として、全国の地方公共団体で、男女共同参画計画と男女共同参画拠点施設についてどのような評価が為され、評価の実施がどのような意味をもち、両者の評価がどのように関連づけられ活かされているのか等の実態と課題を包括的に把握することを目的に、質問紙調査を実施し、その結果を分析するとともに、第2段階のヒアリングで、事例に即して把握・検討すべき事項を抽出した。質問紙調査は、男女共同参画計画と、公設の男女共同参画拠点施設両方をもつ地方公共団体の男女共同参画担当課325か所、および、男女共同参画拠点施設331施設を対象に実施した。群馬パース大学の研究倫理審査の承認を経て 先行知見と研究協議を踏まえて行政用、施設用2種の質問紙、および調査協力依頼書を作成・送付し、郵送または電子メールによる回答を依頼した(23年9~10月)。有効回答数(率)は、行政261件(80.3%)、施設191件(58.2%)であった。行政の調査では、男女共同参画計画の進捗管理としての評価を中心に8割の自治体で政策の評価を行っており、主体は自己評価、目的は事業等の有効性と効率の点検、方法は指標による量的評価と質的評価を組み合わせた総合評価、といった傾向であった。課題として、評価実務に係る課題、拠点施設の評価との関連づけの不十分等が挙げられた。拠点施設の調査では、評価の実施率は行政より低く6割余りで、とくに政令指定都市設置の施設で進んでおり、市町村施設は実施率が低かった。主体は自己評価、目的は主に事業等の有効性の点検、方法は主に指標による量的評価、課題としては、評価指標・評価方法に係る課題、自治体行政との認識の違い等が挙げられた。結果より、第2段階のヒアリング調査の対象候補となる先進事例と聴取すべき内容を立案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目に計画した以下全ての内容を達することができた。すなわち、1.「男女共同参画政策の推進のための評価に関する調査研究 第1段階調査 質問紙調査」を実施した。2.調査結果の集計・分析を行い、報告書を作成した。3.本研究に係る、図書の出版、論文の学術雑誌掲載、学会発表を行った。4.調査結果に基づいて、「男女共同参画政策の推進のための評価に関する調査研究 第2段階調査 ヒアリングによる事例研究」の対象候補自治体・拠点施設の選定と、聴取内容の立案を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
「次年度に使用する予定の研究費」が生じたのは、いずれも地方公共団体男女共同参画拠点施設の責任者である研究協力者の協力を得て行う計画であった、質問紙調査の質問紙作成、集計結果の分析・考察の殆どを、研究代表者と分担研究者の集中的な取組によって行ったことによる。24年度は、まず、23年度の「男女共同参画政策の推進のための評価に関する調査研究 第1段階調査 質問紙調査」の結果報告書をHP上に公表するとともに日本評価学会春季第9回全国大会で報告する。次いで、「男女共同参画政策の推進のための評価に関する調査研究 第2段階調査 ヒアリングによる事例研究」を実施する。目的は、(1)質問紙調査の結果から抽出された男女共同参画政策と男女共同参画拠点施設の評価の先進事例および課題追求に有用な事例について、先駆性・可能性、課題と対応を、事例に即して詳細に把握し、そこから男女共同参画政策の有効な評価のあり方を見出すこと、(2)男女共同参画拠施設の人事制度と職員の職務と成果の評価の実態と課題を把握し、職員をめぐる制度整備につながる知見を得ることである。地方公共団体男女共同参画課・拠点施設各10か所以上を選定し、第1段階調査 質問紙調査の結果に基づいて立案した聴取事項について、聴取者・記録者の2名でヒアリングを実施する(7~10月)。各事例の評価への取組全体の構造、評価方法全体の体系、抽出される先進性や特徴、課題をまとめ、成果を日本評価学会第13回全国大会で報告し、報告書にまとめる。25年度は、23・24年度に実施した調査結果を総合し、真に男女共同参画政策の成果増大に役立つ評価の体系、男女共同参画政策と男女共同参画拠点施設の評価の連動のさせ方、および、男女共同参画拠点施設の職員をめぐる制度整備につながる現実的な取組を見出し、提言を行う。3か年の研究成果を報告書にまとめ、学会および学術雑誌に発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度に要する研究費は、「旅費」、「謝金」、複写・印刷・通信費等「その他」の3種である。「旅費」は、全国の男女共同参画課・拠点施設各10か所以上に、研究代表者と分担研究者または研究協力者計2名でヒアリングに赴くための旅費、日本評価学会における成果発表・同参加のための旅費、研究会議のために要する旅費である。「謝金」は、ヒアリング調査の実施、結果の整理分析、人事組織に係る踏み込んだ検討、情報提供、研究協議に係る協力を得るために要するものである。「その他」は、複写・印刷・通信費として入用な費用である。「次年度に使用する予定の研究費」は、これら「旅費」「謝金」として十全に活用する。
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