2012 Fiscal Year Research-status Report
女性医師の継続就労支援:医学会分科会と大学病院の調査研究から成功事例に学ぶ
Project/Area Number |
23510353
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
石塚 尚子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (30159751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨澤 康子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00159047)
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Keywords | 女性医師 / 男女共同参画 / 継続就労 / ジェンダー / 外科 / 支援 |
Research Abstract |
勤務時間が長く、訴訟が多く、勤務環境、待遇がわるく外科は敬遠されて選択する医師が減少する中、2008 年度には外科を志す女性会員5%に対し、女性新入会員は22%であった。外科崩壊を食い止めるには女性外科医の就労継続支援と魅力的なキャリアパス形成が必要である。最終的には女性医師のワークライフバランスの改善は、外科医全体の労務環境改善につながるはずである。基本となる医学会分科会と医学教育機関での調査が不可欠であり、成功事例を学び、情報を共有し、意識改革のみならず、制度改革を含めて、女性医師の継続就労に関してエビデンスに基づいた解決策を提案し、労働環境を改善し医療崩壊を食い止めることを目的として、調査・研究を行った。 研究成果の発信に関しては、学術集会にて口頭発表するばかりでなく、学術雑誌に論文として報告してきた。今までの研究成果を日本語論文で、また、国際語である英語論文として発信することができたきた。日本語論文のうち「日本外科学会女性外科医支援委員会. 日本医学会分科会における女性医師支援2011年 第2回目アンケート調査」は、3年後の変化を示している。さらに女性医師支援を目的に手術器具の人間工学的検討した論文「Rating and issues of mechanical anastomotic staplers in surgical practice: a survey of 241 Japanese gastroenterological surgeons」は日本外科学会の英文誌Surgery Todayに掲載された後、Most Downloaded Articlesになるほど注目されている。 2012年に限っても、発信している情報は多岐にわたっており、女性医師支援に役に立つことが期待されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画として、以下の項目の調査研究を行い順調に遂行されている。 【3】大学病院支援カタログは、当初の計画よりも多い項目で、また、80大学医学部および医科大学の本院ばかりでなく、分院まで含めて調査することができている。 【4】外国の現状調査として、女性医師のWork Life balanceの調査を日本以外に、米国、香港の3ヵ国で現地の女性医師の支援のもとで行うことができた。またその結果を「The Attitude and Perceptions of Work-life Balance: A Comparison Among Women Surgeons in Japan, USA, and Hong Kong China」の論文にまとめ、発信するところまでこぎ着けることが可能であった。
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Strategy for Future Research Activity |
日本における女性医師支援は進みがゆっくりではあるが確実に前進している。外科崩壊を食い止めるには女性外科医の就労継続支援と魅力的なキャリアパス形成が必要であることは事実である。。女性医師のワークライフバランスの改善は、外科医全体の労務環境改善につながるため、成功事例を学び、情報を共有し、意識改革のみならず、制度改革を含めて、女性医師の継続就労に関してエビデンスに基づいた解決策を提案し、労働環境を改善し医療崩壊を食い止めるために努力したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画は順調に進んでいるが、今年度はさらに以下に力を入れたい。 【4】外国の現状調査 近年、米国では50%近く、英国では60%が女性医師であり、妊娠・出産の時期に関してルール作りが盛んである。日本での研修医の妊娠・出産に関しては、やっと2009 年6 月に配慮する旨の事務連絡がでた。Troppmann の2009 年の報告ではfellowship/residency の終了をまって出産する女性外科医が62.4%いた。妊娠・出産に関するルール作りのための資料集めを行い、解析する。 また、女性外科医師の労働環境改善のために、手術器具の人間工学的検討もさらに行いたい。
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