2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23520008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村上 祐子 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80435502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢田部 俊介 京都大学, 文学研究科, 非常勤講師 (70379337)
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Keywords | 論理学 / 論理学教育 / 哲学教育 |
Research Abstract |
3カ年プロジェクトの2年目となる2012年度では、1年目の議論を元に論理学中上級教材作成にとりかかった。試行として、2012年10月から12月にかけて京都大学文学部の協力を得て「CAPEセミナー・論理学上級シリーズ」4回の講義を行った。内容は部分構造論理と様相論理とした。また、参加者アンケートを行った。その結果、レベル的には問題がなかったが、京都大学以外の参加者への汎用性の観点から、数学的補習と古典論理学復習を含めた内容の検討が必要であることがわかった。また4回の実施では時間の制約が厳しかったことから、同内容で1セメスター15回、あるいは通年30回程度への展開を検討することとなった。さらに、京都大学での次年度の大学院レベル共通講義にむけて調整を行った。 研究会・学会発表:研究代表者・分担者合わせて国内外で18回の成果発表を行った。また、さまざまな分野の研究者からの意見を聴取するために「論理学と数学の哲学研究会」を2回開催した。研究会は英語で実施したため、日本滞在中の外国人研究者、また海外で研究生活を行っている日本人研究者等、幅広い分野から多数の参加があり、国際的な広がりを持つ議論が展開できた。さらに、京都大学CAPEワークショップ参加者との議論を行うこともできた。さらに、2011年度に実施した石黒教授インタビューの書き起こしと分析を行った。 著書・論文等:共著書2冊、国際誌1本、国内学術雑誌1本の公刊があった。またプロシーディングス論文4本があった。 成果の一般向け公開:講義資料、講演資料等をRead&Researchmapから公開するとともに、一般雑誌への記事(書評・紹介記事)を3本出版した。また、ファシリテータ・提題者として参加したサイエンスカフェの中で論理学的な内容を扱った。なお、論理学と数学の哲学研究会については一般参加を認めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2011年度に引き続き、プロジェクトメンバー以外の関心・協力も得られて、積極的な議論がすすめられている。2012年度はプロジェクトメンバーの研究分野である部分構造論理と様相論理・代数意味論に集中して教材開発に取り組んだが、圏論や数学の哲学などからの論点提示を経て、次年度以降の開発に十分期待が持てる状況となった。さらに、授業試行について、京都大学の協力が得られたため、大学院生を対象として通常の授業ではカバーしきれない中上級の内容を含む試行を行うことができ、参加者アンケートを採ることもできた。 研究会の英語実施については、期待以上の数の参加者を得て、国際的・学際的広がりと深みを持つ議論が展開できている。とくに、哲学的な関心を持つ聴衆に対しどのように論理学への関心を喚起できるか、という点で、各講演の様子の観察が有意義なものとなっている。とくに、カリフォルニア州立大学の八木沢敬教授を招いて行った7月16日の研究会では、可能世界の形而上学的位置づけについての講演をいただき、哲学的関心が強い参加者の反応を観察する機会が得られた。 また論文公開・成果発表についても当初の計画以上に行われた。発表に伴う学会ワークショップ等への参加を通して、現在哲学科で提供されているクリティカルシンキング等入門・初級レベルの論理学との接合性とカリキュラムの一体化についても議論が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度は最終年度であるが、基本路線としてはこれまでの方法を踏襲し、多角的な教材開発を目指した議論のための研究会開催・実際の講義を行い資料と参加者アンケートを行う。これまでに引き続き国際的・学際的議論を中心とし、日本語・英語双方での授業実施およびワークショップ開催を行う。2013年度も京都大学から協力いただけることとなり、9月に「研究科横断型教育プログラム」の一貫として授業を提供し、2012年度の試行を踏まえた教育手法のブラッシュアップを行う予定である。また、11月には首都大学東京オープンユニバーシティでの授業試行1回も予定している。さらに、日本における哲学・論理学教育の実態調査として、2011年度に引き続き石黒教授ほか日本の哲学の発展をになってきた方々のインタビューを行う予定である。 成果公開としては、学会発表・論文出版を行う。現時点で2013年5月の日本哲学会では、構成主義をテーマとしたワークショップを開催する予定となっており、2013年4月の応用哲学会の機会を利用してワークショップに向けた打ち合わせを行う。また論文としては、論理学・哲学をテーマとした学際的議論を推進する方策について、国際誌への投稿を予定している。 さらに、2012年度以前のフィードバックを得た教材開発を継続し、講義スライドとともに順次インターネット上での無償公開を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該予算は24年度に執行できたが、支払が25年4月に回ってしまったためB-Aが正の値となっている。
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Research Products
(27 results)
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[Journal Article] Test-Case Design by Feature Trees2012
Author(s)
Takashi Kitamura, Ngoc Thi Bich Do, Hitoshi Ohsaki, Ling Fang, and Shunsuke Yatabe
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Journal Title
Leveraging Applications of Formal Methods, Verification and Validation. Technologies for Mastering Change
Volume: 7609
Pages: 458-473
DOI
Peer Reviewed
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