2011 Fiscal Year Research-status Report
定言命法の体系とその実現のための技術的仮言命法の創出に関する研究
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23520010
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
小野原 雅夫 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (70261716)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | カント / 実践哲 / 定言命法 / 仮言命法 / 道徳形而上学 |
Research Abstract |
A「定言命法の体系」に関する研究について 後述するように平成23年度はBの研究が想定以上に進展してしまったため、文献収集はそれほど行えなかった。しかしながら、法政大学牧野英二教授の指導を受けたり、また日本倫理学会の共同討議の場で、カント倫理学のエッセンスについて報告する機会を得て、カント専門家以外の多くの哲学・倫理学研究者から「定言命法の体系」という構想に対して意見を賜ることができた。B「技術的仮言命法の創出」に関する研究について こちらに関しては、はじめのうちは各地の哲学カフェ等の視察に費やし、4年間の研究期間のうち後半2年間に重点的に取り組む予定にしていたが、前年度末に発生した東日本大震災ならびに福島第一原発事故を承けて、「てつがくカフェ@ふくしま」を早急に立ち上げる必要が生じ、平成23年5月22日に第1回「てつがくカフェ@ふくしま」を開催することができた。その後、ほぼ月1回のペースで開催することができ、平成23年10月22日と平成24年3月10日には、法政大学サステイナビリティ研究教育機構の協賛を得て、「特別編」と題して、震災と原発事故をテーマに大々的に開催することができた。通常の「てつがくカフェ」には常時20名前後、「特別編」のときには50名前後の参加者を得て、一般市民が自分の頭で考え、互いに意見を開陳し、相互に傾聴しあうという貴重な場を提供することができた。その試みは全国紙や地方紙、ラジオ等でたびたび取り上げられ、その宣伝効果により参加者は全国各地から集まってくるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
【研究実績の概要】に書いたとおり、本研究はAとBの2つの内容から構成されているが、初年度は予想や計画に反してBの研究が大幅な進展を見せることになった。その分、若干Aの研究が立ち後れた感は否めないが、それを補って余りあるほどBの研究が順調に進んだので、全体としては当初の計画以上に進展していると評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
Bの研究はこの調子で「てつがくカフェ@ふくしま」を一定のペースで開催し続けていきたい。平成24年2月に開催した「本 de てつがくカフェ」や「シネマてつがくカフェ」等の新しいスタイルも取り入れつつ、より一般市民の方々が哲学的・倫理学的問題に入っていきやすいよう工夫を凝らしていく。 Aの研究に関しては、前年度の若干の遅れを取り戻し、年度内の研究の完成を目指して本腰を入れて研究のまとめ作業に取り組んでいきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費は文献収集に主に充てることにする。旅費は、法政大学牧野英二教授による指導を受けるためと、各地の哲学カフェ等の視察に充てる。人件費・謝金はAの研究のまとめにあたってデータ入力や概念分析等のために使用する。その他費目は「てつがくカフェ@ふくしま」の開催のための会場費等に使用する。
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Research Products
(4 results)