2014 Fiscal Year Annual Research Report
定言命法の体系とその実現のための技術的仮言命法の創出に関する研究
Project/Area Number |
23520010
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
小野原 雅夫 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (70261716)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | カント / 実践哲学体系 / 定言命法 / 法・政治哲学 / 実質的倫理学 / 仮言命法 / 市民参加 / 哲学カフェ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的のうちの『人倫の形而上学』を「定言命法の体系」として読み解いていくという部分に関しては、博士論文指導教員に当たる法政大学の牧野英二教授のもとで指導を受けながら、全体の構成や細かい表現の修正、注や参考文献一覧の作成など、実際に提出する最終段階の原稿を作成していった。また第9章にあたる「《法の定言命法》の体系」の部分について手直しをした上で、学内紀要論文に投稿した。最終段階において内容の修正を余儀なくされたので、残念ながら年度内に完成・提出することは叶わなかったが、次年度早々に提出する方向で仕上げにかかっている。 研究目的の後半部分、定言命法を実現するための技術的仮言命法を現実の社会の中で開発していくという部分に関しては、初年度より継続的に月1回のペースで「てつがくカフェ@ふくしま」を開催し続けており、前年度から始まった、地域の文化発信拠点「フォーラム福島」と提携しての「シネマdeてつがくカフェ」も今年度は4回開催することができ、それぞれ多くの参加者を集めることができた。これらの活動は全国紙や地方紙で何度も取り上げられている。毎年3月に行っている「てつがくカフェ@ふくしま特別編」も第5回を迎え、「フォーラム福島」で映画『小さき声のカノン ―選択する人々』を上映し、鎌仲ひとみ監督も迎えて100名近い参加者とともに原発事故問題に関して哲学的対話を展開した。こうした活動について、高千穂大学連続講義の中で「民主主義の危機と哲学的対話の試み」と題する発表をし、その現代的・社会的意義を分析した。 さらに研究目的の後半部分に関して、前年度に公開シンポジウムで発表した「日本国憲法における定言命法と仮言命法」を日本カント協会の学会誌に掲載した。
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Research Products
(5 results)