2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23520040
|
Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
上原 麻有子 明星大学, 人文学部, 准教授 (40465373)
|
Keywords | 近代日本哲学 / 翻訳学 / フランス / 比較思想 / 田辺元における哲学と翻訳論 / 西田幾多郎の身体論と顔 |
Research Abstract |
・「東アジアにおける翻訳、伝統、歴史」の国際研究会を、本科研費獲得の前年度に発足させた。この会の共同研究者ら(韓国1名、カナダ2名と本科研費研究代表者)と、昨年に引き続き、研究の成果を一歩進めることができた。今年度は、私自身が企画し、所属先の明星大学で、フランス語による国際ワークショップ「東アジアにおける翻訳の歴史」を開催した。新しく翻訳と哲学に関心のある共同研究者を、台湾、ドイツ、日本から招くこともできた。 ・上記ワークショップの成果報告としてのフランス語の論集(非売品)の出版を企画し、校正、編集が進んでいる。 ・京都学派の哲学者、西田、田辺に関する研究を進め、西田哲学会や京都大学・土井道子基金哲学シンポジウムなどで発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・上記の活動(研究実績の概要)を通して、翻訳と哲学の関係を探る課題については、順調に研究が進んでいると思われる。また、日本哲学と東アジアにおける翻訳の問題というテーマで、フランス語の出版準備が具体化している。これも今年度の成果と言えるだろう。 ・出版は当該年度に実現する予定であったが、複数の参加者の執筆が遅れ、また研究代表者の所属機関が変わるなどの事情から、次年度に持ち越した。そのため、計画は多少遅れているという状況だ。 ・国際ワークショップは、東アジアにおける翻訳の歴史の問題を、日本、台湾、韓国、ドイツ、カナダ、ロシアの研究者がフランス語で行うという画期的な研究活動であった。様々な言語で考える研究者が「翻訳」の問題を、東アジアの歴史に焦点を当てて深く考える、有意義な場となった。 ・西田と田辺についての発表を通して、先行研究のない、新たな見地からの哲学研究を切り開くことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
・成果報告としてのフランス語の論集の出版を実現する。 ・日本哲学を海外に紹介するための問題について考える研究会を、京都大学で7月に開催する。 ・23d World Congress of Philosophyが8月にアテネで開催されるが、そこで「京都学派における翻訳の諸相」と「日本哲学における言語、思索、論理」について発表する。海外に紹介する一つの重要な機会となる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・成果報告書(非売品の出版)の印刷代、技術援助への謝金、送料、広告等。 ・研究会の発表者、参加者の旅費、謝金等。 ・アテネでのWCPへの旅費、参加費。
|
Research Products
(9 results)