2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23520059
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
永冨 青地 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50329116)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 陽明後学 / 文献学 / 出版 / 明代 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、現在陽明学研究において最も注目を浴びている陽明後学の資料のうち、特に研究の遅れていた鄒守益に関する文献の収集に努め、鄒守益の著作の成立、出版および各時代における流布状況について考察を行った。その成果としては、「『東廓鄒先生遺稿』の諸本について」(『東洋の思想と宗教』31、2014年3月)などがあるが、特に、従来全く知られていなかった鄒守益の詩集である内閣文庫蔵『鄒東廓先生詩集』の紹介(「内閣文庫蔵『鄒東廓先生詩集』について」、『汲古』66/汲古書院、2014年12月)および翻刻(「『鄒守益集』未収詩輯佚」(一)(二)、『人文社会科学研究』54・55、2014・2015年3月)をおこなったことは、研究期間中、精力的に海外における学会に参加し、アジア各地の研究者と交流を行ったことと相まって、日本国内はもちろん、中国・台湾の研究者からも高い評価を得ることができた。 また、鄒守益を含めた王守仁の弟子たちによる出版活動の過程を考察・研究し、多くの論文をまとめることができた。その成果としては、「陽明学研究における文献学の意義―『王文成公全書』所収の「年譜」への挑戦」(『東アジア書誌学への招待』第二巻/東方書店、2011年12月)、「思想家の言葉はどのようにして書籍に定着したのかー王陽明を一例として」(『文化都市 寧波』/東京大学出版会 98-119 2013年 2月)、「《王文成公年譜》訂補」(『版本目録学研究』4/北京大学出版社、2013年8月)、「白鹿洞本『伝習録』について」(『陽明学』33、2015年3月)が挙げられる。同時に欧米における明清思想文献の研究文献の収集と翻訳も行い、その成果は近日中に、『中国書籍史のパースペクティブ 出版・流通への新しいアプローチ』として勉誠出版より刊行されることがすでに確定している(ISBN:978-4-585-29097-1)。
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Research Products
(11 results)