2012 Fiscal Year Research-status Report
近代日中間の書籍交流の研究――商業活動を中心として
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23520061
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
陳 捷 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (40318580)
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Keywords | 日中文化交流 / 書籍交流 |
Research Abstract |
平成24年度は引き続き国内外の図書館・資料館などで調査と資料収集を行い、データを整理し、重要な書籍商について考察を行った。国内では、東京、大阪、京都の関係図書館の他、九州大学図書館、琉球大学付属図書館などで調査を行った。中国では、引き続き北京、上海の各図書館・档案館で調査を行った。これらの調査研究と今までの研究蓄積をもとに、『人物往来与書籍流転』(中国・中華書局、2012.4)、「日本入宋僧南浦紹明および宋僧の詩集『一帆風』について」(堀川貴司・浅見洋二編『蒼海に交わされる詩文』pp.119-146、汲古書院、2012.10)、「Travels to Japan by Chinese Painters in the 1870s and 1880s」(Chen Jie,translated by Joshua A. Fogel, Joshua A. Fogel編,The Role of Japan in Modern Chinese Art (New Perspectives on Chinese Culture and Society)pp.13-41,Berkeley, Calif.: Global, Area, and International Archive,University of California Press,2013.1)、「『四明叢書』の編者・張寿鏞の文献収集」(早坂俊廣編・小島毅監修『文化都市 寧波』、『東アジア海域に漕ぎだす』叢書2、東京大学出版会、2013.02)、「『夢梅華館日記』翻刻(第二十三~二十五巻)」(『調査研究報告』第33号pp.171-218、国文学研究資料館、2013.3)、『1862年上海日記』(陶振孝・閻瑜・陳捷訳、名倉信敦『海外日録』・『中国聞見記』を担当、中国・中華書局、2012.8)などの論考、資料整理の成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの研究はほぼ計画通りに進めており、資料調査・収集とデータの分析は着実に進んでおり、一定な成果も挙げてきた。そのため、平成24年度の研究はおおむね順調に進展していると判断できると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度においては、それまでの調査資料の整理・点検、データの分析を行い、研究成果をまとめて発表する。 1.調査資料の整理・点検を行い、調査データを総合的に分析する。それらのうちの重要な新出資料を翻刻し、『近代日中書籍流通関係資料集』として編纂し、広く研究者や社会に紹介する。 2.引き続き日中両国間の書籍交流における商業活動の実態と書物流通ルートについて研究し、このような書物流通の環境が当時の両国の知識人、書物のコレクターなどに与えた影響を考察する。また、当時の日中両国の社会的、文化的な背景との関係を考慮しながら、このような商業活動と東アジアの国際化を背景とした新たな文化環境の形成および新知識の生成過程との関わりも明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1. 資料調査・整理とデータ分析のため、前年度に引き続き、複写費と資料入力とデータ整理のための作業補佐に対する謝金が必要とされると思われる。 2. 研究成果を論文としてまとめ、国内外の学会や学会誌において発表することを計画しており、研究費の一部はそのための旅費として使用する予定である。
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Research Products
(5 results)