2013 Fiscal Year Research-status Report
近代日中間の書籍交流の研究――商業活動を中心として
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23520061
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
陳 捷 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (40318580)
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Keywords | 日中文化交流 / 書肆 / 書物交流 |
Research Abstract |
平成25年度においては、引き続き文献資料と現地調査を行い、それまでの調査資料の整理・点検、データの分析を行った。また、研究成果をまとめ、学会発表、論文の執筆を行った。具体的には、日中両国間の書籍交流における商業活動の実態と書物流通ルートについて研究し、とくに東京・大阪・上海・広州などの書肆についての研究を行い、このような書物流通の環境が当時の両国の知識人、書物のコレクターなどに与えた影響を考察した。「京都における羅振玉の日本所蔵漢籍の出版事業について」(京都府立総合資料館・京都府立大学主催総合資料館開館50周年記念国際京都学シンポジウム「近代京都の学と美の新生-明治・大正期の日中文化交流の中から-」)、「『毛詩品物図考』より見た十八世紀の新しい「知」の形成」(東方学会、2013・5・24)などの学会発表を行い、『夢梅華館日記』翻刻(第二十六~二十七巻)(『調査研究報告』第34号、国文学研究資料館、2014.3)などを発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本国内と中国の北京・上海の各図書館で資料調査を行い、収集したデータの入力と分析は着実に進んでおり、一定な成果を挙げてきた。また、成果の一部は学会での研究発表、講演あるいは学術雑誌での資料翻刻、学術論文の執筆などの形で発表し、社会への公開を努めた。そのため、平成25年度の研究はおおむね順調に進展していると判断できると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の研究より、近代日中書籍流通に関する新資料の発見やいままで知られていなかった新しい史実の確認をできたが、今後引き続き、新発見の史料の翻刻・発表を行い、調査データを総合的に分析し、広く研究者や社会に紹介する必要がある。また、本研究で明らかになった日中両国間の書物流通の環境が当時の両国の知識人、書物のコレクターなどにどのような影響を与えたかについても引き続き考察していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度において中国で開催する予定であった学会が、2014年5月に延期されたため、その学会に参加するための旅費および発表論文の抜刷の作成費、さらにはその研究の成果を書籍として出版するために打合わせを行うための滞在費などとして予定していた費用が未使用となっている。 次年度5月まで延期された学会に参加し、研究成果を発表する予定である。また、本研究の研究成果を中国において出版する予定であり、学会で発表した後、出版社の編集者との打合せを予定していた。その際の旅費、滞在費として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)