2014 Fiscal Year Annual Research Report
近代日中間の書籍交流の研究――商業活動を中心として
Project/Area Number |
23520061
|
Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
陳 捷 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (40318580)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 書籍交流 / 書物流通 / 東アジア書籍交流史 / 書肆 / 出版活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度においては、それまでの調査資料の整理・点検、データの分析を行うことと同時に、引き続き日中両国間の書籍交流における商業活動の実態と書物流通ルートについて研究し、このような書物流通の環境が当時の両国の知識人、書物のコレクターなどに与えた影響を考察した。また、当時の日中両国の社会的、文化的な背景との関係を考慮しながら、このような商業活動と東アジアの国際化を背景とした新たな文化環境の形成および新知識の生成過程との関わりも明らかにし、学会発表や論文の形で研究成果を発表してきた。新出資料の翻刻として、前年度に続き、「『夢梅華館日記』翻刻(第二十八~二十九巻)」(『調査研究報告』(国文学研究資料館)第35号、pp.117(1)-48(45)、2015.3、)を発表し、日中両国の書物往来に興味深い例証として、『毛詩品物図考』の内容と出版・流通情況を研究し、「『毛詩品物図考』より見た18世紀における新しい「知」の形成」(川原秀城編『西学東漸と東アジア』、pp.291-306岩波書店、2015.2)と題する論文を発表した。なお、日中両国のみではなく、その比較対照として、日韓・日蘭の書籍交流史にも関心を持つようになり、共編の論文集『日韓の書誌学と古典籍』(勉誠出版、2015.5)を出版し、論文「シーボルトコレクションの和刻本漢籍について」(『シーボルト日本書籍コレクション 現存書目録と研究』、人間文化研究機構 国文学研究資料館 編 pp.580-601、勉誠出版、2014.12)と「韓国国立中央図書館所蔵琉球『選日通書』について」(大高洋司・陳捷編、勉誠出版、2015.5)を発表した。
|
Research Products
(5 results)