2013 Fiscal Year Research-status Report
「京大文化史学派」の学問史的研究-民俗宗教史を中心として-
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23520080
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
菊地 暁 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (80314277)
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Keywords | 京大文化史学派 / 文化史 / 宗教史 / 民俗学 / 西田直二郎 |
Research Abstract |
本研究は、戦前の京都帝国大学(以下、京大)文学部史学科の国史学教授・西田直二郎(1886-1964)とその門下生を中心として展開した「京大文化史学派」における民俗宗教史研究を、その理論的系譜、調査技法、資料集積過程、研究者ネットワーク、同時代社会との関連などを多角的に検討し、宗教学、歴史学、民俗学、文化人類学などの分野に多面的な影響を残した「京大文化史学派」の学問史的意義を具体的に解明することを目的とする。 平成25年度は、前年度に引き続き、京都大学所蔵「民俗調査会」資料の整理分析を実施するとともに、大阪市立大学学術情報総合センター・新村文庫、新村記念財団・重山文庫、長崎歴史文化博物館・山口麻太郎資料、坂井市立図書館・小葉田淳文庫などの資料調査を実施した。 このほか、京大文化史学派の民俗調査に関連する再訪調査として、京都府福知山市の産育習俗、滋賀県甲賀市のオコナイ行事などについてフィールドワークを実施した。 上記の成果の一端は、日本口承文芸学会シンポジウム報告「<ことばの聖>@京都―新村出と民俗学的言語研究の交点―」(2013年6月6日@江東区森下文化センター)、「一国民俗学史ノムコウ-あるいは、比較民俗学史のための準備体操-」(2013年11月9日@国際シンポジウム「東アジアの民俗学-歴史と課題-」@京都大学)などで報告した。 また、「主な登場人物2-京大文化史学派における『先祖の話』受容-」(『日本民俗学』276 2013年11月)を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料調査が順調に進行していること、フィールドワークが順調に進行していること、資料の所持者や民俗行事の保存団体等と良好な協力関係を築きつつあること、成果の一部を学会シンポジウム等で報告する機会を得たこと等をふまえると、おおむね順調に進行していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、当初計画通り引き続き上記三点についての作業を進める一方、これまで得られた成果をとりまとめ、シンポジウム形式での研究会で報告することを予定している。主な必要経費は調査旅費、講師旅費などである。
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Research Products
(2 results)