2012 Fiscal Year Research-status Report
死の欲動理論の新展開ーー脳機能画像研究に基づく身体表象と情動理論の接続の試み
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23520100
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 靖子 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (70262483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 英樹 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90221837)
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Keywords | ドイツ語文学 / 情動理論 / 精神分析 |
Research Abstract |
代表者中村は、ドイツ・ロマン派以降の文学作品の解釈を通して、フロイトに至るまでの<死の欲動>の現れを跡づけ、平成二十四年度ドイツ語学文学振興会の刊行助成を受けて、『「妻殺し」の夢を見る夫たち――ドイツ・ロマン派から辿る<死の欲動>の生態学』と題して、出版した(松籟社、2013年3月刊行、総424頁)。また、メスメリズムからフロイトに至る「無意識」という概念の成立過程を跡づけて、『思想』の特集号「無意識の生成」に招待原稿として、「ポエジーの成立」と題して発表した(『思想』2013年四月号)。さらに、スピノザからフロイトに至る情動理論の展開について、”Die Ethologie des "Affekts"-- Von Spinoza bis Freud--" を発表した(Journal of the School of Letters, Volume 9, Nagoya University)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、平成二十五年度に図書刊行を目指すと共に、ドイツ語による研究成果公表を目標としていたが、平成二十四年度中に単著を刊行し、ドイツ語では情動理論の展開を追った論を発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
情動理論について、ドイツ・ロマン派以降の系譜を、文学作品を手がかりとして辿る論考を出版したが、今後は、先の論考では分析できなかった文学作品や、必ずしも文学研究には関わらない理論を改めて対象として検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主にはロンドンのアルヒーフを中心として、海外での資料収集とともに、国際研究集会における研究発表のための出張に用いる。
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Research Products
(3 results)