2012 Fiscal Year Research-status Report
東アジアにおける翻訳語ネットワークの形成と近代学術知に関する思想史的研究
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23520111
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
桂島 宣弘 立命館大学, 文学部, 教授 (10161093)
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Keywords | 東アジアの思想史 / トランスナショナル・ヒストリー / 翻訳語ネットワーク / 国際情報交換(韓国・中国・台湾) / 史学史 |
Research Abstract |
I.研究代表者が主催する研究会の開催。○5月18日.報告者(以下同)王夢如/ペレス・リオボ・アンドレス○6月8日.裵貴得/殷暁星○6月22日.呉雨珊/金政槿/許智香○7月13日.方阿離/マッラ・サルバトーレ○7月21日.石ヒャン○11月9日.金政槿○11月23日.マッラ・サルバトーレ/裵貴得○12月7日.沈煕燦/石ヒャン○12月15日.方阿離/王夢如○2013年1月11日.許智香/殷暁星 II.研究代表者と研究会が主催した公開講演会の開催○12月21日.安相憲(韓国忠北大学校教授)「グローバル化時代における哲学言説と人文学」 III.以上の研究会・講演会の成果は『東アジアの思想と文化』5号として刊行する予定である。 IV.研究代表者による研究報告と講演。○東アジア文化交渉学会第四回大会(高麗大学校で開催)「明清王朝交替と東アジアの思想史」2012年5月○韓国日本思想史学会第30回大会(淑明女子大学校で開催)「トランスナショナル・ヒストリーの可能性」(基調講演)2012年7月○内モンゴル大学国際シンポジウム「トランスナショナル・ヒストリーの可能性」2012年8月○韓国日本近代学会第26回大会(立命館大学で開催)「『近世帝国』の解体と徳川思想の動向」(基調講演)2012年11月。 V.研究代表者の研究論文の執筆。三本(下記13参照)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、本研究の中心となる一年であり、韓国の研究者(高麗大学校・全北大学校・淑明女子大学校等)との日常的意見交換に加え、中国の三大学(内モンゴル大学、南開大学、広東外語外貿大学)との研究交流を積極的に行った。これにより、東アジアを舞台としている国際シンポジウム、国際学会等で研究報告・基調講演を行うことができた。また、拠点としている東アジア思想文化研究会もほぼ定期的に開催することができた。これらを通じて、翻訳語ネットワークの諸相の究明からさらにトランスナショナルな思想史の構造について、一定の目処をつけ、これらについて思想史学関連の三本の論文として公刊することができた。ただし、〈帝国と植民地〉に関わる理論的検討という新たな課題も浮かび上がり、それについて究明するために多少の研究計画の修正を行わざるを得なかった。これにより、当初計画されていた台湾総督府・満鉄調査部等による学術調査の究明という課題については、未だ着手するに至っていないという問題点を残した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、本研究のまとめの一年となる。前年度に引き続いて、東アジア思想文化研究会での活動が中心となるが、諸史料の収集、関連書籍の購入に加え、とりわけ韓国・中国で本研究と関わる研究を行っている研究者を積極的に招聘し、共同シンポジウム、共同研究会を行っていくことに重点をおきたい。また、本年度は香港城市大学、翰林大学校、UBC等で開催される国際学会、国際シンポジウムで研究代表者による研究報告が行われることとなっており、そこで本研究のまとめとなるペーパーを提出することが本年度の研究の軸となる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上にのべたように、諸史料・関連書籍の収集、韓国・中国からの研究者の招聘、研究代表者による国際学会等への参加が、本年度の研究費の執行の中心となる。とくに研究者の招聘に重点をおいているため、研究費の一定の部分がそのために使用される見通しである。また、まとめの一年ということもあり、必要に応じてアルバイトを雇用し、これまでの収集データの電子化、発信のための経費も予定している。
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Research Products
(7 results)