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2011 Fiscal Year Research-status Report

インドと中国の供養者(寄進者)像に関する比較研究

Research Project

Project/Area Number 23520129
Research InstitutionSeisen University.

Principal Investigator

石松 日奈子  清泉女子大学, 文学部, 講師 (80424307)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsインド / 中国 / 供養者像 / 寄進者像 / 仏教 / 道教 / ジャイナ教 / ガンダーラ
Research Abstract

4月~11月 参考文献からインドの供養者や寄進者を表す作例を抽出し、画像をスキャニングして文字データとともにパソコン内で整理保存した。また、今年度のインド調査の時期や調査地について、同行する協力者と協議し、現地との連絡等準備を進めた。 12月インド調査。今年度はインド北部~東部の博物館を中心に10日間の調査を実施した。訪問先は、ウッタルプラデーシュ州のマトゥラー考古学博物館(ギャラリー、収蔵庫)、ラクナウ州立博物館(ギャラリー、収蔵庫)、サールナート考古学博物館(ギャラリー)、バナーラス・ヒンドゥー大学博物館(ギャラリー)、ビハール州のブッダガヤ考古学博物館(ギャラリー)、パトナー博物館(ギャラリー、ガンダーラ彫刻室)、西ベンガル州のコルカタ・インド美術館(ギャラリー)である。すべての博物館で写真撮影が許され、参考文献も収集した。 帰国後、調査で撮影した写真データを学生アルバイトを雇って作品ごとに整理、保存している(24年度も引き続き作業中)。 また、これらに並行して中国関係の文献も購入した。 いっぽう、23年7月に京都龍谷大学で開催された「ガンダーラ研究会」において、研究代表者が「中国の仏教供養者像 ―家族供養者の表現を中心に―」と題する発表を行い、ガンダーラ美術研究者と意見交換を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

23年度は効率よく多くの作例を調査することを目指し、博物館や美術館において調査を行った。その結果、地域的にはインド東北部のガンジス川中流域、時代的には紀元前1世紀から紀元10世紀前後まで、内容的には仏教とヒンドゥー教に加えてジャイナ教関係の作品も調査することができた。とくにクシャン朝の供養者表現は造形内容が多彩で、現実の供養者を表現している可能性が高いと思われる。ジャイナ教美術については当初計画では注意していなかったが、現地に行くとジャイナ教の彫刻に供養者が表現される例が多く見られ、その表現方法には仏教彫刻と共通する要素が多かった。次年度以降の調査ではジャイナ教美術にも注意して計画を立てる必要を感じた。また、マトゥラー博物館やパトナー博物館、コルカタインド美術館にはガンダーラ彫刻が多数収蔵されており、ガンダーラ美術と中国作品との類似性をあらためて確認した。 なお、申請時の計画では南インドの仏教遺蹟も調査対象としていたが、予算面で不足する可能性があり、また、中国との関係においてはさほど重要度が高くないと判断し、23年度の予定から除外した。

Strategy for Future Research Activity

中国で供養者像表現がさかんとなるのは5世紀以降であるが、これらの比較資料となるインド作品はクシャン朝とグプタ朝のものがほとんどである。そこで、今後はクシャン~グプタ時代の美術作品に的を絞りたい。とくにガンダーラ彫刻は重要であるが、ガンダーラの故地であるパキスタンやアフガニスタンへの渡航は、現状では危険度が高く、実現が難しい。そこで、インド内でガンダーラ彫刻が多く残っている地域(北インドのチャンディガールなど)を調査対象地に加えることを検討したい。また、24年度は西インドの石窟寺院に残る供養者像の調査を予定しており、中国石窟の状況と比較検討する計画である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

24年度の研究費使用計画は以下のとおりである。1.国内旅費:国内の関連調査や研究会に参加するため。2.外国旅費:インド調査。訪問先=ニューデリー国立博物館(デリー連邦直轄領)、チャンディガール博物館(パンジャーブ州)、アジャンタ石窟、アウランガーバード石窟、カンヘリー石窟(以上マハーラーシュトラ州)など。3.物品費:参考文献、プリンタインクなど。4.謝金:専門知識の提供、資料整理のための学生アルバイト。

  • Research Products

    (2 results)

All 2011

All Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 中国の仏教供養者像 ―家族供養者の表現を中心に―2011

    • Author(s)
      石松日奈子
    • Organizer
      2011年度 第2回ガンダーラ研究会(招待講演)
    • Place of Presentation
      龍谷大学(京都)
    • Year and Date
      2011年7月23日
  • [Book] 平成20ー22年度科学研究費補助金基盤研究(C)研究成果報告書 古代中国・中央アジアの仏教供養者像に関する調査研究2011

    • Author(s)
      石松日奈子
    • Total Pages
      100
    • Publisher
      (私製)

URL: 

Published: 2013-07-10  

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