2011 Fiscal Year Research-status Report
伝統的な木材人工物における‘接ぎ手’技法の基礎調査と幼児用玩具への応用
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23520145
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
田中 隆充 岩手大学, 教育学部, 教授 (20374861)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 接ぎ手 / 木工玩具 / 工業デザイン |
Research Abstract |
平成23年度は東日本大震災の復興支援を優先したこともあり、若干、研究にも影響が及んだが、研究内容の変更をせずに台湾における木工の接ぎ手を基軸とした、文献調査を行った。台湾では高雄師範大学科技学院のYen yu Kang教授の研究グループの協力を得て、論文等の既往研究を中心に平成24年度以降に必要な研究要素を抽出した。また、平成25年度以降に行う予定だった、幼児用玩具の試作を本年度に前倒しで行うこととした。前述したように台湾での接ぎ手に関する学術論文の収集とその内容から、台湾における基礎調査はある程度、研究を進行する資料として十分であると考えたため、この段階で研究のゴールである幼児用の玩具のプロトタイプを試作するための仮設計を行うこととした。設計は三次元CADで行うため、平成24年度以降の調査で新しい接ぎ手が創出されたとしても追加や修正はデジタルの利点を生かし比較的容易にできるためである。今回、行った仮設計は既に調査済みであった、中国(山東省)で使用頻度が高いと考えられる接ぎ手と台湾の論文資料から抽出したものである。プロトタイプは三次元CADで7つのパーツと9つのパーツから構成される2種類の玩具を設計した。これらのプロトタイプは三次元プリンターによりABS樹脂で制作されている。しかし、接ぎ手1つ1つの抽出は伝統的な形状でありながらも玩具としてシンプルな構成であるが、パーツも組み合わせる際、当初のターゲットである幼児用の玩具には難易度が高いという指摘を幼稚園の協力研究者から指摘を受けたため、よりシンプルな設計を玩具に要求する必要があることと、接ぎ手そのものの抽出方法も平成24年度以降は考慮する必要が分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究全体の進行プロセスを若干変更しているが、一部の研究プロセスを前倒しにし順調に実行しており、平成26年度への最終的な研究成果に向かって順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
接ぎ手の現地調査が不足していることから、主に中国、台湾、韓国の研究者らと共同で調査活動を行う方策である.また、本年度使用予定の研究費の残額については翌年度に台湾の渡航費の一部にあてる予定でいる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に、接ぎ手の現地調査における旅費と資料整理等の謝金に使用する予定でいる。
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Research Products
(4 results)