2013 Fiscal Year Research-status Report
伝統的な木材人工物における‘接ぎ手’技法の基礎調査と幼児用玩具への応用
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23520145
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
田中 隆充 岩手大学, 教育学部, 教授 (20374861)
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Keywords | 接ぎ手 / 組み木 / 体積計算 |
Research Abstract |
接ぎ手だけではなく,幾つかのパーツを組み合わせることで,立方体になる組み木のサーベイを書籍とインターネット等から行い,それらを整理した.例えば,立方体を基軸とした組み木はシュタインハウスのキューブ,小黒三郎のアニマルキューブ,箱根細工の細工パズル,ユーレカのキューブ,ピート・ハインが考案したソーマキューブ等がある.シュタインハウスのキューブは6つの部品から構成されており,その内の3個は立方体を4個,残りは立方体を5個面でつないだ形状をしている.小黒三郎のアニマルキューブはサイ,ライオン,リスといった動物をモチーフにした部品を組み合わせると立方体になる.これらの,既往作品を知見として得た後,接ぎ手を組み合わせた組み木(玩具)を3Dプリンタでプロトタイプ化した.そのプロトタイプを小学校の算数を専門とする教員にみせたところ,児童への玩具への応用だけではなく,体積計算の教材への展開も可能であるとの意見をもらい,その可能性を追求した.接ぎ手の種類の中には直角だけで構成されているものが多々あり,小学生が体積計算を学ぶ際の支援ができると考えた. そこで,小学生が自主的に体積計算に興味をもつことができ,且つ,教材の機能を兼ね備えた接ぎ手を有する組み木の基礎的なサーベイを行った.また,小学校で基礎的な観察実験も行い,その結果,児童らは限られた部品だけでも組み木が持つ本来の「遊び」を行っていることが分った.また,設計によって組立ての難易度に差がでるため,部品同士のサイズに大小を持たせ,部品数を考え,特長的な接ぎ手の形状にする必要があることが観察により明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学会発表をはじめ,最終年度に執筆予定の学術論文が掲載された.また,接ぎ手を基軸に新たな応用展開が出来うる学術テーマが見つかった.特に,接ぎ手と玩具の関係だけではなく,玩具の機能要素を保持しながら教育支援としても教材に展開することで,研究の発展性に弾みがついたと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
2014年6月に以降に再度,観察実験を行い,その観察を整理し論文の執筆を行う.また,16th International Conference on Human-Computer Interactionに論文が採択されたため,6月に国際発表を行う.さらに,日本デザイン学会でも別の視点から本研究の発表を行う計画であり,最終年度として研究をまとめる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年度に16th International Conference on Human-Computer InteractionでのProceedingsに採択されたため,その発表経費等に使用するため,次年度使用する.また,計画以上に研究が進んだことで,その研究発表等に経費を使用するため. 16th International Conference on Human-Computer Interactionでの発表経費. 第61回春季研究発表大会での発表経費.
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Research Products
(6 results)