2012 Fiscal Year Research-status Report
農閑工芸の研究 ー地域資源を活用する造形教育プログラムの構築ー
Project/Area Number |
23520149
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮原 克人 筑波大学, 芸術系, 講師 (80400662)
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Keywords | 農閑工芸 / 工芸 / 木工 / 地域資源 / 自然素材 / 山林資源 / 漆 / 造形 |
Research Abstract |
「農閑工芸」の事例収集と分析を行った。教育プログラムへの応用を考え、「農閑工芸」の中でも特に専門的な機械や技術をそれほど必要としない事例を調査した。実施計画とは異なる調査場所となったが、本研究推進のための変更であった。農閑工芸の調査内容及び実施場所は以下の通りである。①オエダラ箕の制作方法(秋田県秋田市)、②ワラスゲ細工の制作方法(福島県喜多方市)、③雄国竹細工の制作方法(福島県喜多方市)。農閑工芸の調査及び事例収集場所は以下の通りである。①福島県県立博物館、②三島町生活工芸館、③昭和村カラムシ会館、④田島町奥会津博物館(①~④福島県)、⑤豊田市美術館(愛知県)、⑥伊勢神宮⑦せんぐう館、⑧神宮徴古館、⑨神宮農業館、⑩海の博物館(三重県)。 上記、オエダラ箕、ワラスゲ細工、雄国竹細工の調査では、学生と共に制作指導を受けた。そして、それらを応用して以下のワークショップを行った。①竹材によるカトラリー制作ワークショップ、 ②カッティングボードを制作する製材ワークショップ。 これらの成果を発表するため「会津・漆の芸術祭2012」に参加し、展覧会とワークショップを同時に開催した。また、これらの活動をまとめ、筑波大学大学会館にて開催された「クラフト展」にて発表を行った。筑波大学においては「農閑工芸」の考え方を活用した実験的なドローイングワークショップや造形ワークショップを開催した。農閑工芸の事例収集や調査、ワークショップ、展覧会を通じて様々な視点から研究を推進する事ができた。 その他、NPO法人水と緑の連絡会議より依頼され、農閑工芸の活用方法について事例紹介とアドバイスを行った。島根県石見銀山の竹林整備に伴う、竹の有効活用の提案と意見交換会を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「農閑工芸」の調査・事例収集は予定通りに進行しており、「教育プログラム」への活用方法に関する研究も進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究推進のため調査地を追加し事例収集を行う。 農閑工芸の造形的可能性を探求する展覧会を開催する。 「農閑工芸」の生産方法の調査、事例収集の結果をまとめ、具体的な教育プログラムの開発を行う。それらをまとめ、ホームページで紹介する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「農閑工芸」の生産方法を調査するため旅費、謝金を計上する。教育プログラムの構築のためワークショップを開催する。「農閑工芸」の造形的可能性を探求する展覧会を開催する。本研究の成果を公開するためホームページを作成する。 平成23年度実施予定であった福島県での調査及びワークショップは東日本大震災の影響のもと、実施する事が難しかった。その金額を平成24年度に繰り越し、さらに平成25年度へ繰り越すことになった。平成25年度への繰越額(337,571-)は、平成23年度の調査予定地であった福島県檜枝岐村での活動にあてる。経費も当初の予定通り、旅費や謝金(研究補助、専門知識の提供)に使用する。
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