2013 Fiscal Year Annual Research Report
『超マリオネット』論-再考 演劇改革、舞踊革命、人形劇ルネサンスの接点
Project/Area Number |
23520164
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 庸子 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 准教授 (00273201)
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Keywords | エドワード・ゴードン・クレイグ / 演劇改革 / モダンダンス / 人形劇 / モダニズム / 身体文化 / 身体史 / 超人形 |
Research Abstract |
本研究では、エドワード・ゴードン・クレイグの「超マリオネット」の思想を、演劇改革、舞踊革命、人形劇ルネサンス、という三つのパラダイム変換の接点として身体史の観点から再考することが目的であった。具体的には、I)「超マリオネット」論圏内のテクストの綿密な読解により、クレイグの構想及びその身体史的位置を明らかにする。II)同時代舞踊の評論を検討し、「超マリオネット」と舞踊の身体の関連を考察する。III)人形制作・人形劇への関与を調査する、という三点に焦点を当てていた。 I) に関しては、クレイグの演劇論を中心に読解を行った。その過程でバロック演劇や象徴主義演劇の重要性、カンディンスキーなど同時代の演劇との共通点・相違点、クライストやシュレンマーとの接点が明らかになってきた。 II) 未公開資料も含む各資料の調査結果から、「超マリオネット」の構想が胚胎したのは、クレイグが20世紀初めにドイツ語圏に滞在した時期であり、クレイグの演劇改革と、イサドラ・ダンカンら当時の舞踊や身体文化との密接な関連がわかってきた。 III)人形劇に関しては、内外の資料調査を精力的に行い、クレイグの人形劇への傾倒は一時的なものではなく、当初から演劇・人形劇・ダンスを一体のものとして考えていたことがわかってきた。 以上I)II)III)の研究結果をまとめ、学術誌に論文として発表した。さらに、他の研究テーマと関連する形で、ヴァルター・ベンヤミンの人形的身体についての論考も執筆し、共著の形で出版することができた。
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Research Products
(2 results)
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[Book] Simultaneitaet-Uebersetzen2013
Author(s)
Keiko Hamazaki, Christine Ivanovic, Yoko Yamaguchi, Sybille Kraemer, Kohei Baba, Walter Ruprechter, Kanichiro Omiya, Camilla Miglio, Sugi Shindo, Hiroshi Yamamoto, Lucian Hoelscher, Yuji Nawata, Yuichi Ishida, Shinichi Furuya, Reika Hane, Asako Fukuoka
Total Pages
279
Publisher
Stauffenburg