2012 Fiscal Year Research-status Report
中央・西アジア音楽文化の比較研究2-ウイグルとトルコ・イランの伝統を中心に
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23520176
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Research Institution | Kyoto City University of Arts |
Principal Investigator |
龍村 あや子 京都市立芸術大学, 音楽学部, 教授 (40207064)
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Keywords | 中国・新疆ウイグル自治区 / ウイグル音楽 / 少数民族 / トルコ系民族 / 伝統音楽 / 古典音楽 / ウルムチ / トルファン |
Research Abstract |
平成24年度は今回の研究の中心となる、中国の新疆ウイグル自治区における伝統音楽・舞踊のフィールド調査をメンバー全員で行った。メンバーは研究代表者の龍村あや子、研究協力者の小柴はるみ・谷正人・屋山久美子、ウイグル人の新疆芸術学院教授・ウメル・ママット氏、会計担当の京都市立芸術大学大学院音楽研究科博士課程学生の照屋夏樹。日程は、9月12日着~22日帰国の10日間にわたり、ウルムチ、トルファン、ピチャンなどにて、地域の歌舞団の演奏や、個人の家での収録、聴き取り、および新疆芸術学院での演奏家・舞踊家のインタヴユーを行った。以下が行動表である。 9月12(水)ウルムチ(金海湾度假酒店)に集合 13(木)新疆芸術劇院の新疆民族楽団を訪問、演奏を収録 新疆ウイグル自治区博物館見学、楽器工房訪問 14(金)新疆芸術劇院の新疆ムカーム芸術団を訪問、演奏を収録、副院長訪問、 15(土)新疆芸術学院を訪問、教師・学生有志による演奏を収録 新疆芸術学院の楽器陳列館見学、ウルムチの国際大バザール見学 16(日)ウルムチよりトゥルファン経由ピチャンへ移動 ピチャンにてローラン歌舞団の演奏を収録、子守唄を収録 17(月)トゥルファンの高昌古城遺跡を見学/遺跡の中でウイグル民謡弾き歌い収録 18(火)トゥルファン市博物館、蘇公塔(イスラーム寺院)、カレーズ民俗園、 バザール等見学。朝、屋山はイスラエルへ帰国のため出発 19 (水)トゥルファンよりウルムチに移動 20日(木)ウルムチ郊外の南山(カザフ族居住地)を訪問、ウルムチの音楽家たちの演奏を収録 21日(金)ウルムチ市/新華書店でCD,DVD,書籍など資料購入 今後の調査研究計画/報告書など打ち合わせ 22日(土)早朝ウルムチ発、北京経由で日本に帰国。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この研究の最大の目的である、新疆ウイグル自治区におけるウイグル民族の伝統音楽と舞踊の実地調査を行い、研究代表者としては、これまでに調査していない地域においても調査を行うことができた。ウイグル人研究家・作曲家のウメル・ママット氏の全面的協力により、地方の音楽家、舞踊家たちにおいても多大な協力を得られた。日本では観光の目玉としか一般の人には知られていないウイグルの歌・舞踊・音楽の伝統が、膨大で奥の深いものであり、古典的な歌詞のものを中心に、研究すべきことは山ほどあることが実感された。また今回の調査では、ウイグル音楽といっても地域によっての差異が様々であること、新疆芸術学院ではその多くをアレンジして伝承し、披露する技術を学んでいること、などが実感された。 4月現在までは、今回の収録内容の研究について、研究代表者と研究協力者個々人の研究に任せているが、平成25年度5月以降は研究会を開催して研究のまとめとなる報告を仕上げたい。達成度の自己評価としては、ほぼ100パーセントである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度はこの調査結果の分析を行い、研究会を開催し、今後の研究成果の公表へとつなげたい。研究メンバーの分担は主として次のとおりである。 研究代表者・龍村あや子:研究計画・内容の全般に責任を負う。 研究協力者 小柴はるみ:トルコ音楽の専門家として、特にウイグルの独自性を研究する。谷 正人:イラン音楽研究家でありウイグル音楽に関わるのは初めてであったが、個々のムカームの旋律の音階、動きなどの特徴を研究する。 屋山久美子:アラブ音楽研究家であり、アラブ音楽における「マカーム」との類似性と異質性を中心に研究する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は、龍村と小柴は、もう一度短期にウイグルに出かけて、研究内容の補完を行いたいと考えている。 研究会を2回開催してこの研究のまとめに入りたい。結果は東洋音楽学会などでの学会発表において行いたい。
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Research Products
(7 results)