2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23520181
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小菅 隼人 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40248993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 友 慶應義塾大学, 文学部, 講師(非常勤) (00650003)
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Keywords | 舞踏 / 戦後前衛芸術 / 東北文化 / 国際情報交換(欧米・アジア) |
Research Abstract |
慶應義塾大学アート・センター土方巽アーカイヴに所蔵されている未整理資料の調査および関係者へのインタビューによって、特に舞踏黎明期における同時代芸術との密接な関係性が明らかになった。また、土方巽の故郷である東北地方での現地調査、関係者へのインタビューにより、舞踏に内在する東北の文化的特性に関する検討を進めた。同時代芸術と舞踏の関係性については、平成24年開催の展覧会「土方巽+中西夏之 背面」(慶應義塾大学アート・スペース)内で調査結果を公開した。 平成23年から平成25年の各年、国際学会での発表の機会を得て、研究成果を発信し海外の舞踏研究者と交流する機会を得た(平成23年国際演劇学会(大阪)、平成24年PSi(イギリス)、平成25年PSi(アメリカ)、平成25年日台身体美学フォーラム(台北))。研究者への取材に加え、この学会参加における議論を通じて、海外における舞踏の受容の状況および研究の動向の特徴を明らかにすることができた。特に平成25年度は、サン・フランシスコにて資料映像の上映を含む研究会を実施し、現地の大学教員、研究者、舞踏の実践家と討議を行った。 平成23年~平成24年に集中して実施した大阪万国博覧会みどり館、および映画「誕生」に関する調査は、舞踏の領域だけではなく、みどり館の映像技術的挑戦に関する前例のない研究となり、フィルムの発見、一部のデジタル化を達成するなど大きな成果を上げた。この成果は報告書(日・英)にまとめられたほか、一部の関係者インタビューを収録したDVDパッケージ(「万博映画の土方巽」 2012)も制作された。 本研究グループの研究成果を共有し議論を深めるため、「土方巽研究会」を設置し、平成25年度までに計3回開催した。うち2回を占めた「土方巽最後の言葉」は、これまで未着手だった土方巽最晩年の思想を調査する初の試みとなった。
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