2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23520193
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
暮沢 剛巳 東京工科大学, デザイン学部, 准教授 (80591007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江藤 光紀 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 准教授 (10348451)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 大阪万博 / EXPO / 日本国博覧会 / 前衛芸術 / ブリュッセル万博 / モントリオール万博 |
Research Abstract |
研究の概要は次のようなものである。日本万国博覧会(1970年。以下大阪万博と記す)における前衛芸術運動について、美術家・建築家・デザイナー・音楽家が協同した企画に焦点を絞り、基礎的な資料を調査・収集する。次にこれらの動きを戦後の国際的な前衛の流れの中に位置づける。ブリュッセル万博やモントリオール万博など先行する戦後の万博、そして大阪万博後の動きにも着目し、それらにおける同種のプロジェクトを調査・研究することにより、万博という場が総合芸術の表現に対しどのような可能性を与え、それを実現したのか、さらにはそれが戦後の前衛芸術運動においてどのような位置を占めていたのかを検討する。23年度は研究年度の一年目として、まず今後の分析の切り口を定めるところからスタートした。巨大イヴェントゆえに膨大な資料が残されており、さらにテーマの細目を立てることで調査範囲を絞りこむことが目的であった。二名合同での海外調査を実施し、また複数回の打ち合わせによって意見交換を重ねたこともあり、現在の調査テーマは二名合わせて10程度にまで絞り込まれている。これから1年程度かけて、これらのテーマを順次掘り下げていく計画である。なお、具体的な調査概要については、暮沢・江藤両名の共同連載という形で、青弓社のサイトで随時発表していく予定である(詳細は備考欄を参照のこと)。なおこの連載によって発表された研究成果を書籍化して、最終的な研究成果の報告とする計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際比較について23年度は二人でパリのBIEに出向き、基礎資料を収集した。また暮沢は事後調査の一環としてセビリア万博の会場でも現地調査を実施した。さらに青弓社の理解を得て、定期的に研究成果を発表できる場を確保した。
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Strategy for Future Research Activity |
すでにテーマの絞り込みは終了しているので、今後は個々のテーマについての個別調査へと重点を移行する予定である。今後はウェブ連載を通じて順次研究成果を発表していく予定だが、最終目標である書籍化に際しては、初出時の原稿に加筆・改稿を行い、新たな研究成果を盛り込む予定である。また大阪万博に大きな影響を与えたモントリオール万博の資料収集を中心に、24年度も海外調査を引き続き行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度は秋に二名合同で海外調査を行ったのをはじめ、各自調査や文献の収集を進めたが、二名とも所属先の勤務の都合上、当初計画していた調査日程のうち一部を短縮せざるを得なかった。また次年度に配分されている研究費が少ないことを念頭に置き、研究費不足によって調査が不十分な結果に終わる事態を避けるため、23年度の研究費を一部繰り越すことにした。24年度は暮沢は旅費2/3、物品費1/3、江藤は旅費1/2、物品費1/2で申請する予定である。繰り越した研究費の使用計画も同様である。
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Research Products
(8 results)