2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23520197
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
赤井 敏夫 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (00192873)
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
平成23年度の聞き取り調査で得た成果を学術論文「インド映画におけるダビング」として『人間文化』31号に発表した(平成24年11月刊行)。 平成23年度に引き続きテルグ語/タミル語映画を中心にDVDメデイアの神話映画を収集し、それらに共通して観察できる映像表現上の共通項を項目化することに努めた。ことに、1950年代から60年代にかけて短期的に一大流行を見たフォークロア映画というジャンルに注目して、研究を進めた。フォークロア映画は完全な神話映画ではないが、特定のイディオムを神話映画と共有するという意味で本研究の進展に大いに寄与すると期待される分野である。現在なお研究を続行中であるが、その成果は平成24年12月8日に神戸学院大学にて開催された、日本映像学会関西支部第67回研究会で「インド映画におけるジャンル~テルグ語映画のフォークロア映画を題材に~」と題して報告した。 平成24年8月19日~9月13日にかけてインド、シンガポールにて現地調査を行った。インドでは神話映画の題材として使われることの多いケーララ州のサバリマラ寺院を訪問し祭礼を調査した。またタミルナードゥ州ポンディシェリにてタミル語/テルグ語映画の撮影現場を取材し、制作スタッフや俳優から聞き取り調査を行った。またカルナータカ州バンガロールではメディアの収集を行った。シンガポールでは前年度に引き続きインド人コミュニティの観客動態の調査を行った。 平成24年度3 月よりβ版として稼働中であるデータベースに、神話映画の個別データ(タイトル、監督、主演、言語、リリース年)等の登録を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
サバリマラの祭礼を実際に調査できたことから新たな知見を得ることができ、また現役の映画関係者からの聞き取りから多くの情報を得ることができたため、情報収集は順調に進んでいると評価できるが、以下の点においてやや遅れていると言わざるを得ない。 (1)研究者、特にCentre for the Study of Culture and SocietyのS. V. Srinivasとの情報交換が行えていない。 (2)収集した映像メディアが再現性において信頼性に欠けるため共通項の抽出が極めて困難である事例が多く見られ、そのため全体のデータベース化が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
収集した映像メディアが再現性において信頼性に欠けるため、ここに含まれる重要な情報を一時的に他メディアへと移し替えるために映像キャプチャリングシステムの導入が急務である。新規にハードウェアを開発することは予算的に難しいためPCと周辺機器の組み合わせで最適の構成を考案する。 データベース化の推進。 平成24年度までに着手できなかった研究者との情報交換、および現地における儀礼、殊にラーマーヤナの挿話を演劇化した村落カタカリの調査をケーララ州にて行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現地調査用の旅費として600,000円を計上。平成24年9月および12月に渡印予定。 映像キャプチャリングシステムの導入のために200,000円を計上。 データベース入力を中心とする人件費として46,000円を計上。
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