2012 Fiscal Year Research-status Report
女性「労働」の文学表象に見る一九一〇年代の雑誌文化交流の研究
Project/Area Number |
23520217
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
金子 幸代 富山大学, 人文学部, 教授 (40224597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有元 伸子 広島大学, 文学研究科, 教授 (50202768)
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Keywords | ジェンダー / 女子文壇 / 森鴎外 / 労働 / 文学表象 / 国際情報交換 / ドイツ / 日露戦後 |
Research Abstract |
平成24年度 (1)基礎的な資料の収集(継続)―平成23年度の(2)を引き続き行った。女性雑誌に関する研究会等にもアクセスし、情報収集に努めるとともに、補充すべき女性雑誌関連の資料や入手可能な対象がでてきた場合は柔軟に対応することとした。 (2)文献資料、調査研究資料の整理、分析(継続)―平成23年度の(3)を引き続き行い、女性雑誌の交流・連関のデータベースを完成、精査し、さらに「歌舞伎」などを同時代の文芸雑誌を購入し、明治終期から大正期にかけての女性作家が「労働」をいかに扱っていたか解析していった。 (3)中間成果の発表―中間成果について関連する富山文学の会で発表を行い、批判的検討を加え、研究の方向性、妥当性についてチェックしていくことにした。 なお同時代の女性「労働」に関する文学表象の研究の一環として明治期を代表する文豪森鴎外に7ついての研究を進め、招待講演としてドイツ・ベルリンのフンボルト大学で「鴎外とドイツ近代劇」について行った。今年度は論文五本のほか、共著『鴎外近代小説集第三巻』(岩波書店)をはじめ、『世界文学翻訳総合目録』(大空社)など五冊刊行した。平成24年度科学研究費報告書として『女子文壇研究』をまとめることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度科学研究費報告書としてこれまでの研究成果を『女子文壇研究』にまとめることができた。さらに同時代の女性「労働」に関する文学表象の研究の一環として明治期を代表する文豪森鴎外についての研究を進め、招待されドイツ・ベルリンのフンボルト大学で「鴎外とドイツ近代劇」の講演を行うことができた。成果として今年度は論文五本、共著『鴎外近代小説集第三巻』(岩波書店)をはじめ、『世界文学翻訳総合目録』(大空社)など五冊刊行できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、 (1)基礎的な資料の収集(継続)―日露戦後から第一次大戦前夜にかけての女性の位置づけについて女性労働史および出版史関連の資料も補足的に調査する予定である。 (2)資料の解析作業―平成20年度~21年度の研究成果を踏まえ、「労働」と「交流・連関」の視点から雑誌文化の特性を検証していく。全体の仕上げの作業である。 (3)成果発表―研究のまとめを行うために、第二次資料収集を可能なかぎり行う。成果について関連する学会・研究会での発表を行い、批判的検討を加え、得られた成果を論文として発表し、研究のまとめを行う。上述の研究方法と方針にそった研究成果報告書を作成し、関連の研究者、研究機関に配布する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(13 results)