2013 Fiscal Year Research-status Report
本居宣長の国学の受容と国文学の成立に関する総合的研究
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23520221
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 康二 神戸大学, その他の研究科, 教授 (90269647)
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Keywords | 本居宣長 / 玉あられ / 文学史 / 本文批判 / 物のあはれ |
Research Abstract |
5年計画の3年目にあたる平成25年度は、本居宣長の国学の受容について、5本(6本)の論文を発表した。まず、宣長の文学精神の享受については、「「物のあはれを知る」説の近代―文学史と思想史を架橋する」、「俗語訳成立史(上)(下)」、「本居宣長の文学史研究」、「本文批判成立史」の4本を発表した。「物のあはれを知る」説や俗語訳の手法について、先行研究でも言及されることはあったが、それを国学受容史という観点から論じ直したものである。また、宣長の文学史観と本文批評観については、先行研究で触れられることもほとんどなく、未開拓の分野である。その方面について、やはり国学受容史という観点から宣長の文学観を位置づけたものである。さらに、宣長の著作の享受について、「『玉あられ』成立史」を発表し、宣長著『玉あられ』が近世後期において、広く読まれたという事実を、批判書の執筆および公刊、追随書の刊行といった出版の観点から整理し直した。 以上、文学精神の享受と著作の享受という二方面からのアプローチによって、宣長国学における文学研究(歌の学び)の側面が宣長の同時代および近世後期、さらには近代国文学の成立期に、どのように受け入れられ、陶冶されてきたかということを明らかにすることができた。この二方面の研究方法は、今後も継続して研究する価値があることが確認できた。それは残り2年の期間におこなう事業への指針ともなるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終年にまとめる報告書の六割の素案が完成したことになり、分量の割合としても順調といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの反省を踏まえつつ、今後の計画については大きく変更する必要を認めない。昨年の延長上で研究を進めることが事業完成への道であると確信している。
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