2011 Fiscal Year Research-status Report
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23520250
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
金 任仲 明治大学, 文学部, 講師 (30599577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袴田 光康 明治大学, 文学部, 講師 (90552729)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 明恵 / 元暁 / 義湘 / 華厳縁起 |
Research Abstract |
平成23年度は、文献資料の調査と研究発表を中心に活動を進めながら研究を行った。明恵と元暁・義湘に関しては、主に高山寺関連資料・縁起・説話集と韓国側の資料『三国遺事』『円宗文類』等における関連記事の資料収集と調査及び整理を行った。明恵と元暁・義湘との関連資料は、現在データの入力作業の途中であり、次年度はアルバイトを雇うなど、より迅速化を図りたい。これと併行して、明恵と義湘・善妙に関わる資料に基づき、高山寺と善妙寺の跡を調査し(2012年3月19日~22日)、善妙寺の寺跡を受け継ぐ為因寺の貫主大田信弘師の御好意により、「宝篋印塔」等を善妙寺より為因寺に移した経緯に関する資料を入手し、江戸中期の立像「善妙明神像」と善妙明神社を画像資料として収録することができた。これらの資料と画像データは、本研究において大いに寄与することになるだろう。また、法蔵が義湘に寄せた書簡「賢首国師寄海東書」(天理図書館蔵)は、義湘と法蔵との交流を示す貴重な資料で、その全文が義天撰『円宗文類』巻22、『三国遺事』巻4に収録されているが、「賢首国師寄海東書」の画像データに基づき、両資料との校合を行い、本文との異同を明確にしたことは大きな意義を持っている。研究成果としては、韓国延世大学国際学術大会で金任仲「『唐法蔵致新羅義湘書』の書簡をめぐって」、袴田光康「平安仏教における新羅明神」の研究発表を行った(2011年7月30日)。また、中国山東大学国際学術会議に参加し、「日本における義湘と善妙の説話」(2011年10月21日)を発表し、中国における義湘と善妙の伝承と相違点があるという新たな課題を得たことは大きな収穫であった。更に2012年2月26日に本研究と関連するホームページを開設したが、こうした研究成果をWeb上で広く社会に情報を公表していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
明恵と元暁・義湘に関する研究発表を国内外の学術大会・研究会に積極的に参加して発表を行っており、「明恵と元暁」・「明恵と義湘」など、諸文献の該当箇所を集めたデータベースとして構築する作業を研究計画通り、順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
高山寺関連資料の調査は、膨大な典籍であるため、研究テーマごとに分けて作業する必要があり、平成24年度も引き続き、該当箇所の調査と分析を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究と関連する高山寺関係・明恵関係・仏教関係の図書を購入する。また、海外の研究者と意見交換や資料調査と文献収集のための海外出張は、基本的に1回5泊とし、国内出張は1回3泊として旅費を使用する。さらに、国内外での学術大会・研究会に積極的に参加し、海外は1回3泊を基本とし、国内は2回以上研究発表を行う予定である。その他に、文具代・通信費・郵送費が必要であり、なるべき経費を節約して使用する。
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Research Products
(13 results)