2012 Fiscal Year Research-status Report
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23520250
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
金 任仲 明治大学, 文学部, 講師 (30599577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
袴田 光康 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (90552729)
堂野前 彰子(岡本彰子) 明治大学, 文学部, 講師 (50588770)
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Keywords | 明恵 / 元暁 / 義湘 / 華厳縁起 / 善妙 / 高山寺 |
Research Abstract |
平成24年度は、国内外の学会・研究会に参加して研究発表を行った学術論文を日本語と韓国語で執筆して学術雑誌に投稿しながら、高山寺関連資料を中心に仏教法語に関わる明恵と元暁・義湘の思想や言説に対し、アルバイトを雇って諸文献の該当箇所のデータベース化の作業を進めた。これと併行して、新羅僧元暁・義湘関連の寺院と霊場、及び文献資料の調査(2012年8月21日~27日)を行い、元暁と義湘の仏教説話に関する資料収集と共に、海外協力者の高麗大学・沈慶昊氏から韓国の諸文献の引用についての意見交換や文献収集などに協力・助言をいただいたことは、本研究において大いに寄与するだろう。研究成果としては、『華厳縁起』絵巻に見える義湘と善妙の説話をめぐって、『宋高僧伝』と韓国側の資料『三国遺事』・『円宗文類』などに語られる説話との相違点を検討し(『文芸研究』118号・2012)、また中国の華厳僧法蔵が義湘に寄せた書簡「賢首国師寄回答書」(天理図書館蔵)について、その歴史的背景や経緯、書簡の内容を中心に考証しながら、『円宗文類』と『三国遺事』に収録されている資料と法蔵書簡との翻刻と校合を行った(『淵民学志』19輯・2013)。袴田光安「藤壺と法華八講義」(『王朝人との生活史』、2013)、同「生誕―方法として産養」(『源氏物語と儀礼』、2012)、堂野前彰子「神武の来た道―丹と交易」(『文芸研究』118号、2012)などがある。本年度は引き続き、明恵と元暁・義湘に関する仏教法語のデータベース化を構築し、ホームページを利用して研究成果をWeb上で広く社会に情報を公開していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内外の学会・研究会での研究発表を行ってから、学術論文を日本語と韓国語で執筆して学術雑誌に投稿すると共に、研究状況についてもホームページ上にその情報を公開したことは大きな意義を持っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究調査を踏まえ、『華厳縁起』絵巻・説話集・高山寺関連資料と、韓国側の資料『三国遺事』『円宗文類』『新羅殊異伝』のほかに、縁起書・仏教説話集と総合的に比較し検討する。また「明恵と元暁」「明恵と義湘」など、諸文献の該当箇所を集めたデータ―ベースとして構築する作業を計画通り、完成させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は本研究と関連する明恵関係・説話関係・仏教関係の図書を購入する。また海外出張は、基本的に1回5泊とし、海外の研究者と意見交換や資料調査を同時に実施すると共に、国内出張は1回3泊を基本として経費を節約する。更に、文具代・通信費・郵送費が必要であり、なるべく経費を節約して使用する。
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Research Products
(10 results)