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2011 Fiscal Year Research-status Report

ネオリベラリズムの外部へー90年代以降の米国文学・文化とアイデンティティの政治学

Research Project

Project/Area Number 23520287
Research InstitutionHitotsubashi University

Principal Investigator

三浦 玲一  一橋大学, 言語社会研究科, 教授 (70262920)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 越智 博美  一橋大学, 商学研究科, 教授 (90251727)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsアメリカ文学 / ネオリベラリズム / グローバル化 / アメリカ南部文学 / アイデンティティ
Research Abstract

ネオリベラリズムの文化を批判的に考察するプロジェクトは、順調に出発した。これまでの研究をまとめて発表しながら、本プロジェクトの出発点を確認し、それを発展させるための資料収集等を行った。 三浦は、これまでの成果をまとめつつ、本プロジェクトの出発点となるべき知見を論文「選択と新自由主義と多文化主義」にまとめ、発表した。また、本プロジェクトの1つの柱となるべき90年代のディザスター表象についての研究成果を、まず、「ディザスター映画とグローバル化」として日本英文学会にて、次に、「『タイタニック』と貧困政策」として日本アメリカ文学会で発表した。現在、これらを論文としてまとめつつあるところである。また、冷戦期をも含んだものであるが、合衆国のリベラリズムの文化について、招待発表「冷戦リベラリズムの文化」を行った。 越智は、南部のアイデンティティ研究のここまでの研究のまとめを「アメリカの白いヨーロッパ」として発表ののち、その成果を組み込んだかたちで、単著『モダニズムの南部的瞬間』を出版した。また、越智は、シカゴ大学に出張し、本プロジェクトのために必要な資料収集を行った。 一橋大学の助成を受けて米国より本研究のテーマと重要な関わりを持つ研究者Paula Rabinowitzを招いてシンポジウムを開催し、三浦が司会をつとめ、越智が"Culture of New Deal Liberalism"を発表した。現在も、Rabinowitzと連絡をとりつつ、研究を進めているところである。 1年目は、基本的に、予定通りに、研究が行われた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

三浦、越智ともに論文を1本ずつ発表し、越智は単著を刊行した。三浦は学会発表を3回行い、越智は、合衆国での資料収集を行った。三浦、越智の双方が出席するかたちで、リベラリズム、ネオリベラリズムについて検討する研究会を、年間に20回開催した。 合衆国の文学におけるポストモダニズムとネオリベラリズムの関係については、ほぼ基本的な調査は終了し、それを書籍として刊行するための準備を開始しているところである。また、その変奏として、英国のポストコロニアル作家についての同様の図書の企画も検討している。 災害表象と新自由主義との関係についても、現代の文化批評についての、ある種のキーワード辞典の刊行計画に参加しており、そこでその成果を発表する予定である。 南部文学とアイデンティティの関係については、越智の著書において、その基本的な枠組みは整理された。その現代的な様相についての研究は、今回の越智の資料収集で開始の準備が整った。 ネオリベラリズムにおけるアイデンティティの意味についても、資料収集と検討を重ねながら、上記のキーワード辞典に考察を掲載する予定である。 以上の個々の考察をまとめたかたちで、英文での成果発表の機会を求めて、現在、原稿を徐々にまとめつつある過程である。現時点では、これは、草稿の段階を出ないが、本プロジェクト終了時までには完成させる予定である。

Strategy for Future Research Activity

合衆国の文学におけるポストモダニズムとネオリベラリズムの関係については、ここまでの考察をまとめ、刊行に向かって企画を進める状況である。災害表象と新自由主義との関係について、オリベラリズムにおけるアイデンティティの意味についても、書籍の刊行を予定している。 それらについて、さらに広範囲の資料を収集しつつ、研究会を月2回程度のペースで定期的に開催し、知見を深めていく。また、これまでの研究成果を検証する場として、コメンテイターを招いて合評会を開催し、今後の研究方針の調整の場としたい。 南部文学とアイデンティティの関係について、越智は、合衆国で資料収集を行う。三浦は、ネオリベラリズムとアイデンティティの関係について、シカゴにおもむき、情報提供を求める。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

英文論文の執筆を平成24年2月、3月に行ったため、その校閲費の申請が、次年度に繰り越された。また、この校閲後に検討後購入を決定すべき書籍が大量にあり、校閲費および書籍の購入費用が、平成24年度使用予定の研究費として繰り越された。 それ以外については、当初計画通り、資料収集、知識提供のために合衆国への出張を行い、また、必要な資料を購入する予定である。

  • Research Products

    (8 results)

All 2012 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (5 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 選択と新自由主義と多文化主義――グローバル化時代の文学としての『ハリー・ポッター』シリーズ2011

    • Author(s)
      三浦玲一
    • Journal Title

      英文学研究

      Volume: 88 Pages: 33-47

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] アメリカの白いヨーロッパ――南部農本主義者のファシスト疑惑2011

    • Author(s)
      越智博美
    • Journal Title

      言語社会

      Volume: 5 Pages: 62-78

  • [Presentation] 冷戦リベラリズムの文化――Richard WrightからJ. D. Salingerまで2012

    • Author(s)
      三浦玲一
    • Organizer
      筑波大学アメリカ文学会3月例会(招待講演)
    • Place of Presentation
      筑波大学東京キャンパス文京校舎
    • Year and Date
      2012年3月25日
  • [Presentation] Association and/or Aggression: Robert Penn Warren’s Night Rider2012

    • Author(s)
      Hiromi Ochi
    • Organizer
      Culture of New Deal Liberalism: Depression, Popular Front, and Internationalism, an International Symposium
    • Place of Presentation
      一橋大学
    • Year and Date
      2012年3月15日
  • [Presentation] ディザスター映画とグローバル化――Roland Emmerich, Independence Day (1996)を中心に2011

    • Author(s)
      三浦玲一
    • Organizer
      日本英文学会第83回全国大会
    • Place of Presentation
      北九州市立大学 北方キャンパス
    • Year and Date
      2011年5月21日
  • [Presentation] 『タイタニック』と貧困政策――新自由主義レジーム下における『抵抗』2011

    • Author(s)
      三浦玲一
    • Organizer
      日本アメリカ文学会・東京支部会・分科会
    • Place of Presentation
      慶應義塾大学 三田キャンパス
    • Year and Date
      2011年11月12日
  • [Presentation] 一次資料調査の面白みと苦心2011

    • Author(s)
      越智博美
    • Organizer
      日本アメリカ文学会第50回全国大会(招待講演)
    • Place of Presentation
      関西学院大学 千里山キャンパス
    • Year and Date
      2011年10月9日
  • [Book] モダニズムの南部的瞬間――アメリカ南部詩人と冷戦2012

    • Author(s)
      越智博美
    • Total Pages
      Xviii+324
    • Publisher
      研究社

URL: 

Published: 2013-07-10  

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