2013 Fiscal Year Annual Research Report
ルネサンス演劇における演技と観客の情緒的・身体的反応の関連性についての研究
Project/Area Number |
23520301
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 未樹 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (00324872)
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Keywords | ルネサンス演劇 / 演技 / 観客反応 / 身体 / 情緒 |
Research Abstract |
ルネサンス演劇における演技と観客の情緒的・身体的反応の関連性について考察することを目的として、本研究の最終年度となる平成25年度は以下の研究を行った。 1.昨年度に引き続いて、16世紀末の英国における人気役者の一人であったエドワード・アレンについて調査を行った。アレンの身体的特徴と演技が舞台においてどのように活用されているか、また、彼の演技の様式が後の役者たちに与えたと思われる影響について、ウィリアム・シェイクスピアの初期作品を具体例として取り上げて考察した。9月には、オックスフォード大学・ボドリアン図書館においてエリザベス朝の舞台についての文献の調査を行った。この研究の成果をまとめたものとして、研究論文「歴史、記号、スター俳優―『ヘンリー六世』第1部におけるシェイクスピアの試み―」を大阪大学言語文化研究科の機関誌『言語文化研究』第40号に発表した。 2.昨年度の研究に継続する形で、今年度は1590年代後半から1610年代までの英国の舞台における役者の身体表現について調査を行った。当時の劇作品を資料として扱い、感情を表す所作について種類毎に分類しながら検討した。また、感情・情緒の伝達に関する理論書を参照しながら、これらの所作が観客反応とどのように関連しているかについても考察した。 3.これまでの三年間における研究成果を踏まえた上で、ルネサンスの英国の舞台における演技がどのように変容したかという問題について、特に所作と内面性という観点から検討を行った。
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Research Products
(1 results)