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2011 Fiscal Year Research-status Report

イギリス国民意識形成に果たすイギリス文学の公共的性質の研究

Research Project

Project/Area Number 23520311
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

園井 千音  大分大学, 工学部, 准教授 (70295286)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 園井 英秀  九州大学, 人文科学研究科(研究院), 名誉教授 (00069709)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords英文学 / 西洋思想史 / 宗教 / 哲学 / 西洋史
Research Abstract

本年度は18世紀から19世紀までのイギリス文学における公共的性質と国民意識形成との思想的関連を検証するため、次の二つの課題の分析を中心に行った。(1)18世紀イギリス文学の文学的主題と思想形成の関連において、特に社会的変革の顕著であったロマン主義時代を中心に社会的思想的資料分析を通して考察した。具体的には(イ)コールリッジ、サウジーを中心とする文学的記述における宗教的哲学的思想と18世紀イギリス社会における社会的政治的コンテクストとの関連を分析し、イギリス文学の国民意識形成の過程を考察した。(ロ)18世紀イギリスの宗教的思想とヨーロッパ近代社会における哲学の影響関係の考察を行い、イギリス文化思想の特質を検証した。 (2)19世紀イギリス文学においては特に文学的主題とイギリス文化概念との関連を宗教的社会的思想的コンテクストにおいて分析し、文学的主題と国民意識形成との関連においてイギリス文化概念形成の過程を検証した。具体的には(イ)18世紀イギリス文学におけるイギリス国民意識に関する道徳的教唆と19世紀的国家意識の混在を19世紀文学(ジョージ・エリオット、マシュー・アーノルドなど)の文学的主題の思想的特質において分析した。(ロ)C.ダーウィンの進化論に関連するポレミックスとイギリス国民意識形成との関連を検証し、イギリス文学の文学的主題が当時の国民意識形成において道徳的思想的影響を与えたことを証明した。次年度は特に19世紀初頭から20世紀のイギリス文学における国民意識確立の過程を歴史的思想的に分析する。 (1)及び(2)は研究者が主に行い、特に(2)の思想的分析には研究分担者の分析協力を得た。また文学的思想的資料分析のため大英図書館、ノッティンガム大学図書館、ノッティンガムトレント大学図書館において検証を行った。研究成果の一部を論文1編及び著書2冊に発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

おおむね研究計画通りに進んでいる。今年度は18世紀後半から19世紀までのイギリス文学における文学的主題とイギリス社会における国民意識の形成過程について社会的歴史的思想的に分析した。その結果、18世紀から19世紀のイギリス文学の文学的主題は国民意識形成の思想的基盤を構築することを証明した。また19世紀イギリス文学の文学的主題と当時の宗教的思想的コンテクストの関連分析を通して、イギリス文学の文学的主題が国民意識形成及び文化概念の明確化に影響を与えたことを検証した。本研究結果はさらに次年度における19世紀から20世紀イギリス文学の公共的性質の分析において発展研究する。

Strategy for Future Research Activity

研究計画通り進める。次年度は今年度の研究結果をふまえ、19世紀から20世紀までのイギリス文学における文学的主題と社会的政治的思想及び国民意識形成との関連を分析し、イギリス文学の公共的性質についての検証をする。特に17世紀から20世紀にかけての思想的分析とイギリス文学の文学的主題との関連を中心に進める。今年度は18世紀から19世紀にかけてのイギリス文学における文学的主題と思想的コンテクストの分析を進めた。その分析過程において17世紀後半から19世紀にかけての思想的分析の拡充の必要性が生じたため、次年度における関連資料の収集分析とその整理のための研究費(物品費)が必要となった。また18世紀から19世紀のイギリス社会における思想的コンテクストに関連する学会参加やその分析整理協力に関する謝金及び諸経費(その他)の次年度への繰り越しの必要性が生じた。本分析は本研究課題のイギリス文学における国家意識形成と公共的性質の検証に関する思想的分析の一部を構成するものである。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究計画通り進める。次年度は今年度の18世紀から19世紀までのイギリス文学と思想的コンテクスト分析過程において特に17世紀から19世紀にかけてのイギリス及びヨーロッパ社会における思想的資料の収集分析の拡充の必要性が生じたため、その資料収集分析及び整理のための研究費(物品費及び謝金)を繰り越す。また関連学会及びセミナーへの参加が必要となったため関連費用(その他)も繰り越す必要性が生じた。また次年度は19世紀から20世紀イギリス文学および思想的社会的資料の収集分析を計画通り行い、国内及びイギリスにおける資料分析を遂行する。そのための出張費、謝金(分析資料整理協力などに関する)に関しても計画通り実行する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] "Southey's Radicalism and the Abolitionist Movement "2011

    • Author(s)
      Chine Sonoi
    • Journal Title

      The Wordsworth Circle

      Volume: 42.1 Pages: 22-26

    • Peer Reviewed
  • [Book] ロマン主義の光と影2011

    • Author(s)
      園井千音(共著)
    • Total Pages
      7-22
    • Publisher
      音羽書房鶴見書店
  • [Book] British Romanticism, Slavery and the Slave Trade2011

    • Author(s)
      Chine Sonoi(単著)
    • Total Pages
      221
    • Publisher
      Kyushu University Press

URL: 

Published: 2013-07-10  

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