2013 Fiscal Year Annual Research Report
大戦間のアメリカ南部における身体表象と人種的及び性的ハイブリディティ
Project/Area Number |
23520338
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
森 有礼 中京大学, 国際英語学部, 教授 (50262829)
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Keywords | フォークナー / 南部 / 大戦間期 / ハイブリディティ / クィア / 人種 / 精神分析 |
Research Abstract |
平成25年度の主たる研究成果は、論文「子供の謎と南部の過去:フォークナーの幽霊譚とビルドゥングス・ロマンを巡って」(中京大学英米文化・文学会 『中京英文学』 第34号, 147-66)及び「失われた未来:兄弟間の確執と南部の黄昏:ヨクナパトーファ・サガの原型としての『埃にまみれた旗』」(中京大学『国際英語学部紀要』 第16号, 49-59)の公刊、及び研究発表「カラーブラインド・フォークナー? ―性差と人種のパリンプセストとしての『アブサロム・アブサロム!』と『エルサレムよ、我もし汝を忘れなば』―」(中・四国アメリカ文学会第42回大会 (於松山大学))及び「子どもの謎と南部の過去:フォークナーの幽霊譚とビルドゥングス・ロマンを巡って」(日本イギリス児童文学会第43回研究大会 (於大阪産業創造館))である。また本課題に関連する研究発表に「『老い』の逆説:『野生の棕櫚』に見る老いのジェンダー表象」フォークナーと「老い」第4回研究会 (於関西学院大学大阪梅田キャンパス)、共著として『越境する英米文学―人種・階級・家族―』(共著者:細川美苗、辻祥子、新井英夫、森有礼. 音羽書房鶴見書店刊)がある。報告者は第5章「ジーン・ウェブスター(Jean Webster 1876–1916)屋根裏の狂女、 大西洋を渡る─ウェブスターにおける女性、 人種、 そして優生学─」及び第6章「ウィリアム・フォークナー(William Faulkner 1897–1962)カラーブラインド・フォークナー?─『アブサロム・アブサロム!』と『エルサレムよ、 我もし汝を忘れなば』における「白人に成りすました男達」」を執筆した。いずれも身体表象の変遷の過程を自称的に検証することを目的とし、20世紀前半の合衆国において人種・民族的他者が(ジェンダー的にも)ハイブリッドな主体として表象されていることを論証した。
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