2014 Fiscal Year Annual Research Report
新概念「亡命の文化テキスト」の確立ー東アジアへの亡命研究を通して
Project/Area Number |
23520394
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
PEKAR Thomas 学習院大学, 文学部, 教授 (70337905)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 亡命 / 亡命文学 / 異文化研究 / 文化接触研究 / 文化テキスト / 移住 / 移民文学 / 超文化研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
概念「文化テキスト」を「亡命」および「移民」という観点から具体的に検証し、超文化的現象については、異文化間、つまりテキスト相互のプロセスの観点(特に日独の文化接触の観点、また歴史的観点)において引き続き分析を行った。その際、文化人類学的観点から特に移民の移住と亡命の経験とを関連づけて考察した。なお、2014年度はサバティカルの年度であり、以下の研究活動を行った。 a) 資料収集:サバティカル中、ベルリンの国立図書館、オーストリア亡命図書館、ドルトムントのフリッツ・ヒューザー研究所、ロンドンのウィーナー図書館にて資料収集を行った。特に、フリッツ・ヒューザー研究所では、イタリアで生まれ、外国人労働者としてドイツへ移住し、後にドイツ語で出版したフランコ・ビオンディについて研究を進めた。ドルトムント、ロンドンでの資料収集により、第二次世界大戦中のドイツ語圏からの移住および東アジアへの亡命に関する基礎資料を入手することができ、これらの収集と分析により、伝統的な亡命研究と新しく生じた移民研究との間の架け橋をすることができた。収集した資料は引き続き整理、分析され、研究成果として発表される予定である。 b) 学会発表:研究業績の欄で示す通り、シンポジウム「ドイツ、フランス、日本における戦争の英雄と英雄神話」および異文化間ドイツ文学国際学会にて口頭発表を行った。 c) 専門家との意見交換および出版: 2013年に開催したシンポジウムの結果を書籍として出版するため、「文化接触」研究グループと会議。また、シュテファン・ホーエ(ワイマールの音楽大学、文化マネージメント学科の責任者)およびモリッツ・バスラー(ミュンスター大学、教授)、ウヴェ・ヴィルス(ギーセン大学、教授)と意見交換を行い、計画通り出版することができた。
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