2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23520405
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
神尾 達之 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60152849)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 感染 / 表象 |
Research Abstract |
本研究は五年後に完遂されることになっているが、研究の初年度にあたる2011年度は、《感染》の表象と言説を分析するために対象となるフィールドを確定し、資料を収集・整理する準備を行った。まず、下記の対象領域に属するテクスト群を時系列で分析した。A)映画(ラース・フォン・トリアー『エピデミック 伝染病』、中田秀夫『リング』、ボビー・ファレリー+ピーター・ファレリー『バクテリア・ウォーズ』、ポール・W・S・アンダーソン『バイオハザード』、ダニー・ボイル『28 日後...』、瀬々敬久『感染列島』、落合正幸『感染』など)、B)文学(鈴木光司『リング』、瀬名秀明『パラサイト・イヴ』、村上龍『ヒュウガ・ウイルス 五分後の世界II』、村上龍『共生虫』、貴志祐介『天使の囀り』、仙川環『感染』、真梨幸子『孤虫症』、川端裕人『エピデミック 』など)、C)マンガ(岩明均『寄生獣』、外薗昌也『エマージング』、筒井哲也『マンホール』、弐瓶勉『バイオメガ』、三部けい『鬼燈の島』、恵広史『BLOODY MONDAY』、佐藤大輔『学園黙示録』など)、D)コンピュータウイルス。これらのテクストでは《感染》という事態がフィクションとして描かれている。事実からフィクションへの《表象》の《感染》を調べるために、下記の二つのフィールドのデータを集めた。E)狭義の《感染》疫病に関する文献(エイズ、鳥インフルエンザなどに関する文字情報と図版)、F)広義の《感染》に関する社会現象(「電波系」、風評など)。その上で、これら六つのフィールドの相互関連を考察するためのマップを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究の初年度では、資料を収集・整理することしかできなかった。学術院長および学部長という役職にあったため、研究時間を十分に確保することができなかったのが理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年度の後半からは個々のテクストの分析と考察を深化させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の六つのフィールドに関する資料は毎年増加しているので、それらの購入にあてる。
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