2013 Fiscal Year Research-status Report
生成文法の極小主義における派生入力の性質と連鎖的依存関係に関する研究
Project/Area Number |
23520458
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
R・A Martin 横浜国立大学, 環境情報研究院, 准教授 (30302342)
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Keywords | 理論言語学 / 生成文法の極小理論 / 連鎖 / 国際研究者交流 / 国際情報交換 / 米国:スペイン |
Research Abstract |
研究プロジェクトの三年度目にあたり、最終的な研究成果の公表に向けて、精力的に活動した。特に、慶應義塾大学言語文化研究所の共催を得て、研究代表者であるマーティンと海外共同研究者であるAngel Gallego氏 (バルセロナ自治大学) に加えて、Wolfram Hinzen氏 (ICREA研究所・バルセロナ大学) を迎え、3月4日にCurrent Issues in Minimalismと題する国際ワークショップを開催した。各発表とも連鎖及び連鎖の形成に関わる言語事象・統語操作を中心に、極めて深い洞察を含んでおり、国際ワークショップは多大な成功を収め、本研究プロジェクトの進展に重要な貢献をした。ワークショップの前後には、ワークショップにて発表した3名に加えて、慶應義塾大学言語文化研究所の北原教授を加えて、本研究プロジェクトの研究課題について、包括的な議論を行った。様々な最先端の研究知見の提供を受けながら、個々の研究細目について再検討し、内容を深化させることができ、最終研究成果に向けて、大きな進展があった。海外共同研究者であるUriagereka氏 (メリーランド大学) と連携し、共同研究を進め、今までの研究成果を基に積極的に国内外の国際学会・講演に参加し意見交換・資料収集に務め、研究課題について知見を深め格段に発展させた。とりわけ、Uriagereka氏と共同研究に根差した論文が1本出版され、2014年に更に1本出版される予定である。 連携研究者の藤井は 精力的に日本語のコントロール構文の分析を進め従属節などの補文を中心に、様々な構文を観察し日本語に類するコントロール構文の形成について多大な示唆を与え、本研究プロジェクトの最終報告に向けて、重要な貢献を行った。又、国内にて精力的に発表を行い、論文を掲載し、研究成果を公開している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究プロジェクトの個々の研究細目の知見をまとめ上げ、昨年度に公表する予定であった最終研究成果の産出に向けて、研究を遂行する。 Uriagereka氏の都合で、最終打ち合わせを今年度に延期したが、既に研究プロジェクトの大方は終了しており、最終打ち合わせに必要な準備は終わり、後は最終打ち合わせを残すのみとなっている。マーティンは、Uriagereka氏と連携を密にして、共同研究の最終報告を出せるよう推進する。特に、連鎖の本質と解釈について、国際ワークショップを通して、幅広い題目で議論を行ったことで、研究が大きく深化し、多大な知見が得られたので、研究の方向性が定まり、最終的な研究成果を出せる所にある。本研究プロジェクトの鍵をなす連鎖・連鎖形成及び連鎖解釈のメカニズムの研究の汎用性を検証し、Uriagereka氏と綿密に議論することで、昇華させ、研究成果を論文発表及び出版する予定である。このように公表することによって様々な研究者から多大な意見が得られ、一層の研究の進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度にメリーランド大学を訪問し、Uriagereka氏と最終的な打ち合わせを連日行う予定であったが、Uriagereka氏が多忙であり、昨年度に行うことが出来なかった。結果として、約70万円が剰余金になり、次年度に使用することになる。共同研究の論文執筆及び本研究プロジェクトの研究内容について最終的な打ち合わせを集中的に行うためにMaryland大学に数日間訪問する。この訪問時に、研究成果の出版について調整し、内容について綿密に詰める。そして、本研究プロジェクトの成果を幅広く公表し、多岐にわたる研究者の専門的知見を得るために、国内外で発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は終了年度の予定であったが、本研究計画において中核を成すメリーランド大学のUriagereka教授との共同研究の総仕上げとして、最終打ち合わせのために平成26年3月17日から25日の間にメリーランド大学を訪問する予定であった。しかしながら、直前にUriagereka教授から、大学にとって最優先しなければいけない重要な公用が緊急に入り、3月訪問が受け入れられないという連絡があったため、計画を変更し、予定していた海外出張を中止することになり、未使用額が生じた。 補助事業期間延長が認められ、Uriagereka教授と緊密に相談した結果、平成26年度中に受け入れ可能な日程を設定し、メリーランド大学にて、本科研プロジェクトの最終打ち合わせを行うこととした。未使用額はメリーランド大学訪問の経費に充てる予定である。
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Research Products
(7 results)