2011 Fiscal Year Research-status Report
対象年齢別言語マッピング・モニターコーパスの構築と実践的応用
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23520473
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
飯村 龍一 玉川大学, 経営学部, 教授 (80266246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 澄 青森中央学院大学, 経営法学部, 教授 (80311504)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 日英語物語ディスコース / 対象年齢別言語マッピングモニターコーパス / 問題解決の類型とディスコース / 物語ディスコースとセラピー / 物語ディスコースと言語教育 / 談話文法 / 談話意味論 / 選択体系機能言語学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、言語コーパスを用いて子供の使用言語と受容言語の差異を対象年齢別(3歳から15歳)に明らかにすることである。具体的には、分析対象を「子供自身による」また「子供向けに書かれた」物語テクストとし、そこから段階的な言語使用の実態について、語彙文法、物語の構造、概念形成の視点から分析調査しその研究成果をまとめることである。また得られた結果は、言語教育(英語及び国語教育への貢献、語学教材作成、児童書出版の場への結果の発信と啓蒙)及び臨床心理学、発達心理学の分野において発信し、学術的・実際的に有用な情報として提供を行う。 平成23年度の実施状況は以下の通りである。1.物語テクスト分析のための言語分析モデルの構築と対象年齢別言語マッピングモニターコーパスの基本的な枠組の検討を行った。分析モデルとして、M.A.K. Hallidayが提唱する選択体系機能言語学(Systemic Functional Linguistics)の理論的枠組を基幹とする作業モデルを構築し、機能的な側面から語彙文法パタン、意味具現パタン、テクスト展開ユニットを多層的に分析するための方法論の検討とその分析プロセスを定めた。2.これらの分析過程から得られる言語資源の選択を有機的に整理し分析するためのコーパスモデル(語彙文法レベルだけではなく談話レベルの意味具現を解析するための意味タグなども検討)の設計作業を行い、質的・量的分析に必要な理論的・分析的作業モデルの構築を行った。3.全体的な枠組に加え、本研究の主眼点である物語における問題解決プロセスの類型分析のために、問題解決場面の認識とそこで具現される「問題」の概念化に使われる類語表現の特定と意味的分類についても基礎的な調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成23年度初めより言語コーパスの分析ソフトを構築するための開発依頼していた研究者が昨年度の11月に急逝され、言語分析の基盤づくりの再検討を余儀なくされた。2012年2月に入り、分析プログラム作成の見通しが立ったが、その間データ入力と分析・処理方法に関する作業工程が中断し、言語データに利用する書籍の購入及び入力作業が大幅に遅れたことが主な理由である。また、理論的枠組作りを並行して行うことができず、研究内容の深化にも大きく影響を及ぼした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度初めより言語コーパスの分析ソフトを構築するための開発依頼していた研究者が昨年度の11月に急逝され、言語分析の基盤づくりの再検討が必要となった。その結果、次年度に分析ソフトとコーパス構築にかかる費用が発生することとなり、計画的な使用計画のもと、平成24年度は、分析テクストデータ入力、分析ツールの開発、データ分析、分析結果を格納する言語コーパスの構築(平成25年度まで持ち越す予定)を中心に研究を進め、平成25年度は、残された分析結果のコーパスへの格納を行い、研究成果の実践的応用についてまとめることとする。理論的枠組みについては、平成23年度に8割ほどの枠組構築を行うことができたため、次年度初めに作業モデルを完成させる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
コーパス構築とその分析プログラムに関する作業の遅れを取り戻すために、平成24年度は、データ入力作業に加え、分析データツールの作成とコーパス構築に必要な情報付与作業「コーパスアノテーション支援ツール開発とコーパス構築」のための予算を増額する予定である。2年間で最大200万円(コーパス構築及びデータベース作成作業)とする。また、分析テクストファイル作成を中心とした作業のためのアルバイト代を、2年間で75万円程確保する。それに伴い、物品費、旅費、その他の費用は削減し、15万円程とする。
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