2012 Fiscal Year Research-status Report
イテリメン語の語彙データベース構築と比較研究ー系統・接触関係の解明に向けてー
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23520493
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小野 智香子 千葉大学, 人文社会科学研究科, 特任研究員 (50466728)
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Keywords | イテリメン語 / チュクチ・カムチャツカ諸語 / 語彙データベース / 系統関係 / 言語接触 / 方言比較研究 / ロシア |
Research Abstract |
本年度は、これまでに収集した語彙データの整理、辞書などの既存の出版物におけるイテリメン語資料の電子化を進めた。 1. これまでに収集した語彙データの整理と分析:古いワープロソフト、表計算ソフトなど、フォント・文字コードやフォーマットの異なる語彙データを Unicode でエンコーディングし、データベースソフトウェアを使用してデータの統合を継続した。また語彙データの公開に必要なシステムの構築を開始し、障害となる問題の解決策を検討した。 2. 語彙データベースに付属する音声データの分析を開始した。過去のフィールド調査により得られたイテリメン語の録音データをデジタル化し、語彙データベースに使用可能な形式への加工を開始した。3時間分の録音から、375の語彙および例文の音声データ (WAV形式) の加工と整理を行った。 3. 昨年度ロシア科学アカデミー言語学研究所で収集した1930年代~1970年代のイテリメン語の手書き資料を分析し、小野 (2012) として論文を発表した。また、既存の出版物の語彙データを電子化する際のデータ構造について検討し、様々な表記に対する標準化のルールを設定した。具体的には、手書き文字の認識と電子化の際の表記の対応ルール作成、出版物によって異なる表記(キリル表記とラテン表記)の対応とその標準化および国際音声字母による表記の一元化、語彙データの出典(著作名、ページ数、話者、方言、録音資料など)に関する情報構造の検討、使用するデータベースソフトウェアの検討、成果公開のための基盤整備に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はイテリメン語語彙データベースのシステム構造の大枠を決定することができ、システム構築に着手することができた。主要な語彙の入力が順調に進み、データベースに組み込む音声データの分析と加工にも着手しており、全体としておおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度ロシア科学アカデミー言語学研究所にて収集したイテリメン語の手書き資料の量が当初の想定よりも多く、文字の認識と解釈に時間を要することが明らかになったが、当該年度中に研究補助者の増員が困難であったため、次年度に研究補助謝金を集中して充当し、作業にあたることとした。これと並行して、既存の出版物における語彙データの電子化および、語彙データベースのための録音資料の分析と加工を継続する。 また、これらの語彙データの整理と分析を行い、方言別にイテリメン語の語彙を整理して、内容を精査する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
イテリメン語の手書き資料の量が当初の想定よりも多く、文字の認識と解釈に時間を要することが明らかになったため、平成24年度に使用する予定であった研究費を次年度に充当し、謝金による翻訳・校閲および研究補助を次年度に集中させて効率化を図ることとした。 1. 物品費 120,583円 言語学・チュクチ・カムチャツカ諸語等に関する文献、消耗品費等(うち平成24年度未使用分 20,583円) 2. 旅費 600,000円 ロシア調査旅費、学会・研究会参加旅費等 3. 謝金 450,000円 イテリメン語データ入力、音声データ加工作業等(うち平成24年度未使用分 450,000円) 4. その他 203,000円 翻訳・校閲費、複写費等(うち平成24年度未使用分 103,000円)
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Research Products
(3 results)