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2014 Fiscal Year Research-status Report

イテリメン語の語彙データベース構築と比較研究ー系統・接触関係の解明に向けてー

Research Project

Project/Area Number 23520493
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

小野 智香子  千葉大学, 人文社会科学研究科, 特任研究員 (50466728)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2016-03-31
Keywordsイテリメン語 / チュクチ・カムチャツカ諸語 / 語彙データベース / 系統関係 / 言語接触 / 方言比較研究 / 危機言語 / ロシア
Outline of Annual Research Achievements

本年度はこれまでにフィールドで収集した語彙データを整理し、辞書などの既存の出版物の方言別語彙データとともに語彙データベースへの登録を行った。またこれらのデータに基づいて、イテリメン語南北方言の語彙の分布に関する研究を実施した。
1.これまでに収集した語彙データの整理と分析:古いワープロソフト等、フォントや文字フォーマットの異なる語彙データを Unicodeでエンコーディングし、データベースソフトウェアを使用してデータの統合を行った。
2.語彙データベースに付与する音声データの分析を実施した。過去のフィールド調査により得られたイテリメン語の録音データをデジタル化し、語彙データベースに使用可能な形式への加工を行った。具体的には15時間分の録音から語彙および例文の音声データ(WAV形式)の加工と整理をし、語彙データベースに統合するため、各語彙ごとおよび例文ごとの音声データのクリッピングを行った。
3.ウェブ上で上記の語彙データベースを公開するため、ウェブ表示用のコンテンツと語彙検索システムの開発を行った。キリル表記およびラテン表記のイテリメン語辞書ページ、語彙検索システム、音節構造検索システムを開発し、それぞれのページについて日本語、英語、ロシア語版を作成した。イテリメン語のキリル変形文字などの特殊文字を入力するため、ウェブページ上にソフトキーボードを設置した。また各語彙の例文の表示・非表示や日本語訳の表示・非表示が選択できるようにした。
4.作成した語彙データベースに基づいてイテリメン語南北方言の比較研究を行い、隣接するチュクチ・カムチャツカ諸語のチュクチ語、コリャーク語の語彙の分布との関連を分析して論文(小野 2014)を発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

イテリメン語南北方言語彙データベースがおおむね完成し、これに基づくイテリメン語南北方言の比較研究を行って、その成果を論文(小野 2014)として発表した。また語彙データベースをウェブ上で公開するための準備がおおむね整った。具体的には、ウェブ表示用のコンテンツと語彙検索システムの開発が完了し、キリル表記およびラテン表記のイテリメン語辞書ページ、語彙検索システム、音節構造検索システムを開発し、それぞれのページについて日本語、英語、ロシア語版が完成した。データベースに登録されている語彙をウェブ公開用に整理・修正し、音声データの追加を行った。

Strategy for Future Research Activity

イテリメン語語彙データベース・検索システムをウェブ上で公開するための最終調整を行う。音声データの加工・分析とクリッピングを行い、語彙データベースの語彙とマッチするIDを付与する。ウェブ上で検索した語彙の音声が確認できるよう、出来るだけ多くの音声データ付与を行い、本年度中に語彙データベースを公開する。

Causes of Carryover

イテリメン語南北方言音声付き語彙データベースの構築にあたり、ロシア・カムチャツカ半島にてフィールド調査を実施して音声の録音をする予定であったが、話者の健康上の理由によりイテリメン語南部方言の音声の録音ができない事態となったため、旅費が未使用となった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

現地研究者の協力により南部方言話者の音声の録音ができる見通しとなったため、本年度はその音声処理のための機器やソフトウェア購入と、音声データ編集作業のための謝金に使用する。

  • Research Products

    (5 results)

All 2015 2014 Other

All Journal Article (2 results) (of which Open Access: 2 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] イテリメン語の否定の構造2015

    • Author(s)
      小野 智香子
    • Journal Title

      北方言語研究

      Volume: 5 Pages: 39-53

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] イテリメン語西部語南北方言とチュクチ・コリャーク諸語 -語彙から見た接触・系統関係の再検討-2014

    • Author(s)
      小野 智香子
    • Journal Title

      千葉大学ユーラシア言語文化論集

      Volume: 16 Pages: 217-230

    • Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] イテリメン語の否定と法2014

    • Author(s)
      小野 智香子
    • Organizer
      日本言語学会第149回大会
    • Place of Presentation
      愛媛大学(愛媛県松山市)
    • Year and Date
      2014-11-16
  • [Presentation] イテリメン語とイテリメンの人々2014

    • Author(s)
      小野 智香子
    • Organizer
      言語で巡るシベリアの旅 ―北方の人々のことばと暮らし
    • Place of Presentation
      新潟大学(新潟県新潟市)
    • Year and Date
      2014-07-05
    • Invited
  • [Remarks] カムチャツカの少数言語研究

    • URL

      http://cas-chiba.net/fareast/kamchatka.html

URL: 

Published: 2016-05-27  

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