2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヴァレンス拡大とその形態統語論的実現に関する日・英・独語間の語彙意味論的比較研究
Project/Area Number |
23520497
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
藤縄 康弘 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (60253291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 志奈子 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (90324839)
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Keywords | 言語学 / 語彙意味論 / 日本語 / 英語 / ドイツ語 / 所有 / 与格 |
Research Abstract |
本研究課題は,日本語(基本語順SOV,対格・与格の区別あり,主語の表示義務なし),英語(基本語順SVO,対格・与格の区別なし,主語の表示義務あり),ドイツ語(基本語順SOV,対格・与格の区別あり,主語の表示義務あり)という相互に部分的に共通する形態・統語論的性質を備えた3つの言語の研究において従来,個別言語研究の枠内でばらばらに取り上げられてきた諸構文のうちから,「ヴァレンス拡大」という観点で相互に比較可能なものを洗い出し,その背後にある意味論的基盤,および言語ごとに異なる形態・統語論的実現のメカニズムを探ることを目的としている。具体的には日本語の統語的使役構文,間接受動構文,二重主語構文,英語の使役構文(使役動詞:make, let, have, get, cause),およびドイツ語のlassen使役構文,bekommen受動構文,「自由な」与格構文等を対象とした。 研究最終年度となる平成25年度は,対象言語のさまざまな現象について一方では個別言語的な,他方では言語横断的な分析成果をまとめた。これは後述の雑誌論文や図書としてすでに刊行済み,ないし刊行が決定している。「イベントの所有」という通言語的な基本述語関係が言語により異なった発現形態に至るという立場に立ち,藤縄はドイツ語の態と格の体系全般をまとめ直した。また今泉も,英語学・言語学の用語辞典の項目執筆に本研究成果を活かした。
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Research Products
(4 results)