2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23520501
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
西嶋 義憲 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (20242539)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 定型表現 / 案内板 / 標識 / ステッカー / 日本語 / ドイツ語 |
Research Abstract |
本年度は、日本の公共空間で頻繁に目にする定型表現をフィールドワークにより収集した。公共空間とは、たとえば、JRの駅構内や空港、電車・バスや飛行機、観光地など、多くの人が利用したり、訪れたりする空間をいう。定型表現とは、公共空間内に見られる案内板、標識、看板、ステッカー類に書かれてある表現のことである。それらの定型表現をデジタルカメラで撮影・記録した。それらの一部を表現形式と語彙の観点から分析を試みた。 その結果、多くの表現がその看板を目にしている人物の視点、もしくはその人物周辺の視点から形成されているということが明らかになった。たとえば、バスの車内では降車ボタンを押すと、「次止まります」といった表示が車内前方、運転席の後ろあたりに点灯する。この表現には主語がない。止まる主体は誰なのか。その主体に関する明確な限定はない。運転手なのか、乗客か、それともその両者か。いずれにせよ、この表現は、この表現を目にしている人物の視点、すなわち表現行為が行なわれている状況内(車内)の視点から作られていることがわかる。同様の表現に「足元注意」「入れません」などがある。 日本語の「次止まります」は、ドイツの同じ場面なら、「Wagen haelt(車は止まります)」となり、表現形成の視点は運転手や乗客のいる状況(車内)の外側にあり、客観的な描写となるはずである。これは専門文献で指摘される日本語と英語やドイツ語で好まれる表現の構成傾向と対応している。したがって、そのような好まれる表現傾向の習得が日常的に目にする定型表現と何らかの関連があることが示唆されたことになり、仮説の一部が確認される可能性が見えたことになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データの蓄積は十分とはいえないが、日本語の定型表現に関してはかなりの数量が収集できている。しかしながら、分析はまだ一部しかなされていない。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、まず、インターネットを利用して、ドイツの公共空間にある定型表現を収集する。次に、ドイツ語圏に出張し、日本と同様にさまざまな公共空間に出向き、定型表現をデジタルカメラに撮影・記録し、分析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ドイツ語圏に定型表現の収集に出張するので、その調査費として外国旅費を使用する。また、学会発表のための旅費を使用する。
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Research Products
(2 results)