2013 Fiscal Year Annual Research Report
形容詞語彙の使用パターンとその構造化に関する日仏語対照研究
Project/Area Number |
23520504
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤村 逸子 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (50229035)
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Keywords | 言語学 / コロケーション / 形容詞 / 統計指標 / フランス語 / 日本語 |
Research Abstract |
最終年度に当たり、日本語、フランス語、および英語に関して、形容詞の使用を大規模コーパスにおいて検索し、データベースとして保存し、定量的、および定性的観察を行い、その構造化に関する検討を行った。本年は成果発表の年であるため、その成果を、6つの研究集会において発表した。コロケーションに関しては、2語の結びつきの強さを計測する指標として従来多用されてきたMI-scoreの不備を指摘し、それにかわるものとして開発したLog-rスコアを、国内(JSLS2013、日本、長崎)、および国外(7`eme Journe'es de la Linguistique de Corpus, フランス、ロリアン)の二つの国際学会において口頭発表した。データとして、前者の発表においては100万件を超える英語の2gram、後者においては同じ英語の2gramとフランス語の60万件の2gramを用いた。次いで、視線計測装置を用いた研究を国外の国際学会(EuroSla 23、オランダ、アムステルダム)において発表した。フランス語の形容詞と名詞のコロケーションの強さが、脳内における処理のスピードと関連していることをを実証的に示したものであった。さらに、言語と文化および歴史を交差させた研究として、日本語とフランス語の味覚形容詞を取り上げ、日本語の「甘い」にはなぜ否定的な意味があるのかという問題を、言語学のみならず、文化や歴史の観点から説明しようと試みる研究発表を国外(フランス、リヨン)の国際研究集会で行った。また、同じテーマを地理学者との共同研究においてさらに掘り下げ、国外(フランス、ミュルーズ)の国際研究集会で発表した。最後に、人を示す名詞に関する研究グループの研究集会(フランス、ストラスブール)において、人に対する敬意(ポライトネス)と人を分類する行為との関係に関する発表を行った。裸の名詞を用いた人の分類より、形容詞などの修飾語句を名詞に添える方法の方がより丁寧であることを示した。
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Research Products
(7 results)