2011 Fiscal Year Research-status Report
バイリンガル教育研究成果の実践適用に関する言語政策的研究
Project/Area Number |
23520506
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
塚原 信行 京都大学, 高等教育研究開発推進機構, 准教授 (20405153)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | バイリンガル教育 / 外国人 / 移民 / 言語政策 / 言語教育政策 |
Research Abstract |
研究対象地域における公立小学校教員および地域学習支援活動関係者等を主要な対象として、バイリンガル児童向け会話力テストとバイリンガル読書力発達度テスト、およびその背景にあるバイリンガル教育の成果や基本的考え方について学ぶための、「OBC/B-DRA実践ワークショップ」を開催した。市役所・教育委員会・国際交流協会の後援を得て行われた三日間にわたるワークショップののべ参加者は66人であり、終了時にこれら参加者に対するアンケートを実施した。アンケートの分析および追跡調査によって、ワークショップにおいて得られた知識や経験が、日常的教育活動の場において、どのように活用されているのかを明らかしつつある。また、より重要な点である、「なぜ活用されていないのか」にも注目することで、知識を持ち帰った参加者をとりまく環境に潜在する活用阻害要因を洗い出し、これに対する有効な働きかけを次年度以降の調査に組み込む予定である。以上のように、本研究の目的の一つである、「バイリンガル教育に関する知見を政策的に周知し早期に活用せしめる方法論」を明らかにするための初期段階を終えつつある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
採択通知が例年よりも1ヶ月以上遅かったため、8月に予定していたワークショップ開催準備に大きな支障が生じた。昨今の学校教育現場ではさまざまな取り組みが行われており、年度当初に採択通知があった場合でも困難な日程調整が、1ヶ月以上の遅延によりさらに難しくなった。結果として、教育委員会主催事業ではなく、後援事業という形式での開催という対応をとらざるを得なかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
制度的・組織的な制限のもとにあって、公立学校教員や地域学習支援活動関係者の個人的な努力がどの程度まで実効性をもちうるのかについては、一定の見通しが立ったと言える。これを踏まえて、これら個人が活動する組織や地域に対する働きかけを実施し、その影響を観察する。具体的には、当該地域に多数居住するラテンアメリカ系移民の文化や社会についての知識を提供する場として、「日本ラテンアメリカ子どもと本の会」が組織する「子どもの本でラテンアメリカめぐり展」を開催し、学校環境における働きかけとする。同様に、ヨーロッパで進められている「多言語活動」を、小学校「外国語活動」において試験的に実施する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「子どもの本でラテンアメリカめぐり展」実施にあたり必要となる経費(本のリース代および展示会における人員配置にかかる費用等)、「多言語活動」実施にあたり必要となる経費(「多言語活動」実施者の交通費および教材作成費等)、これら事業にあたり実施するアンケートおよびインタビュー調査にかかる経費(アンケート郵送費用、インタビュー実施のための交通費等)が主要な使途となる。
|