2012 Fiscal Year Research-status Report
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23520537
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| Research Institution | Kwansei Gakuin University |
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Principal Investigator |
尾鼻 靖子 関西学院大学, 理工学部, 教授 (60362141)
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| Keywords | ポライトネス / 役割理論 / シンボリック相互作用理論 / アイデンティティ |
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| Research Abstract |
当該年度では、データ収集が終了し、その分析を行うことになっていた。さらに、ポライトネスおよび「役割理論」についての参考文献を出来る限り閲読することになっていた。「役割理論」については、役割のコンセプトが言語現象に適合するようにこの理論の拡張を図り、役割の種類を社会的なものと心理的なものに分け、オリジナルな仮説を立てた。データからは、従来のポライトネスの現象もいくつか引き出したが、ポライトネスに限らず、興味深い現象も見られたのでそれについても研究を深めることにした。その結果当該年度では次のようなことが研究成果として得られた。
１．論文の出版 "Re-examination of Yoroshiku onegaishimasu - The routine formula as the linguistic implementation of one's tachiba-role" Journal of Pragmatics, 44, 1535-1548.
2. 国際学会での発表 "Japanese speech level shifts and role shifts - Application of Symbolic Interactionism" Lisbon, University of Aberta, 5-7 September, 2012
3. 現在執筆の論文は上記のspeech level shiftsについて。さらにjoint constructionという対話者二人がひとつの発話を作る現象が、日本語に特殊な面を持つのでそれについて海外協力者とともに2本執筆することになった。さらに役割理論をポライトネスを研究している言語学者に知ってもらうためにポライトネスの国際学会で2本発表することに決定し、これも近い将来執筆しジャーナルに提出する。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ分析はほぼ終わっている。またこれからどんな論文を執筆するのかも決定しているが、執筆が少し手間取っている。その理由は「役割理論」における「役割」の種類を拡張し言語現象に適合するように何度も考え直し、それについて海外研究協力者とも話し合いをメールやウエッブカメラで行ったので、それに時間を費やしたからである。しかし、その後は順調に研究は進んでおり、これからは執筆と学会での発表となる。
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| Strategy for Future Research Activity |
24年度のデータ分析によって、執筆中あるいは予定の論文は5本である。そのうちの2本は海外研究協力者と1本ずつポライトネス学会（7月）で「役割理論」を広めるためにも発表することに決定した。今後は論文執筆が主な研究推進方策であるが、さらに近い将来、Symbolic Interactionismという役割理論のひとつの学派の主な研究者に会って、言語学からもこの理論に貢献できることを知ってもらいたいと思う。役割理論は社会心理の分野でよく知られているが、そのほかの分野に応用されたことがない。ポライトネスが社会における行動であり、また心理に左右される現象であれば、この役割理論が言語学分野で扱われているポライトネス現象に応用できる理論であると当研究者は信じている。
論文執筆が完了すれば、のちには著書としてまとめてみたいと思っている。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度の未使用額は、45,147円であるが、これは、海外協力研究者招へいのための費用として使用するつもりであった（2月末に招へい）が、旅費滞在費が予定していたよりも支出が少なかったため、未使用額が生じた。この額を今年度に繰り越して、今年度の学会発表（協力者と2人分）のための旅費の一部にあてたい。7月のロンドンでの発表はすでに確定している（2人とも1本ずつ発表する）。
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Research Products
(5 results)
