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2013 Fiscal Year Research-status Report

宮沢賢治の言葉と文体―近代の地方における「標準語」の受容の実態―

Research Project

Project/Area Number 23520542
Research InstitutionIwate University

Principal Investigator

小島 聡子  岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (70306249)

Keywords日本語学 / 近代語 / 宮沢賢治 / 浜田広介
Research Abstract

本研究は、宮沢賢治の作品の言葉を分析し、彼の語法・文体の特徴を明らかにしようとするものである。その際、方言で生活していた地方の人がどのように標準語を受容したかという観点を重視する。
本年度は、宮沢賢治との比較対象として、電子テキスト化した佐々木喜善の『東奥異聞』をさらに検索できる形に加工した。その上で、すでにデータ化してある宮沢賢治および浜田広介の作品の語法と少しずつ比較考察を行っているところである。佐々木喜善は、岩手県遠野の出身で『遠野物語』の語り部として有名であるが、宮沢賢治とは年齢も近く(少し佐々木のほうが年上)、遠野と花巻は近いこともあり、宮沢賢治の生前に交流があった人物である。佐々木喜善の方は東京で大学生活を送っている点が宮沢賢治と異なり、書き言葉に方言がどの程度影響しているかを見る上では恰好の比較対象である。ただし、内容は童話ではないため、宮沢賢治の方の作品も現在データ化してある童話以外のものを取り扱う必要性が認識された。
また、昨年度、宮沢賢治の出身地である花巻地方についてのみを取り上げた『郷土教育資料』について、今年度は岩手県全体の資料について概要を把握すべく調査を行った。なお、この調査の結果については別の研究費との関連もあり、その成果『岩手県における郷土教育資料の概要―方言に関する記述を中心に―』(竹田晃子氏との共著)として発表してある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の本年度計画では、生前未発表原稿の解析を進める予定であったが、比較対象となる浜田広介や佐々木喜善のものを取り扱ったこともあり、未発表原稿を扱うには至っていない。
また浜田広介との比較はある程度成果が上がっているが、佐々木喜善との比較は進めているもののまとまった成果として発表できるまでには至っていない。

Strategy for Future Research Activity

2013年度にデータ化した「東奥異聞」を活用して、宮沢賢治の語法との比較を試みる。その際、生前発表作品に限らず、常体の童話以外の口語文体の作品との比較を特に進める。
また、宮沢賢治の文語体の文章として、得業論文のデータ化を進め、そのうえで、『太陽コーパス』などとの比較を試みる。
なお、今年度は最終年度でもあるため、作成したデータを公開する方向で準備を進める。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当初計画では、データ整理等を外注する予定であったが、準備が間に合わず処理しきれないところが発生したため。
本年度は最終年度であるため、既に作成してあるデータを公開するための準備を進める必要があり、そのために使用する予定である。

URL: 

Published: 2015-05-28  

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