2012 Fiscal Year Research-status Report
福岡に残る洋学資料コレクション筑紫文庫資料を主対象とした近代日本語語彙の基盤研究
Project/Area Number |
23520561
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
坂本 浩一 福岡女子大学, 文学部, 准教授 (30225809)
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Keywords | 日本言語文化史研究 / 国際言語文化交流史研究 / 日本語翻訳語彙研究 |
Research Abstract |
(1)「研究の目的」について 当初の目的に沿って、福岡市内九州大学中央図書館に収蔵される貴重な洋学コレクション「筑紫文庫」の収蔵資料の中からJ.H.ガビンス編の『漢語英訳辞典』を活用する研究がすすめられており、計画の遂行は順調であるといえる。 (2)研究実施計画について 福岡地域に残る貴重な洋学資料コレクションである九州大学筑紫文庫に収められる対訳辞書資料のうち、本研究課題の中心研究資料となる『漢語英訳辞典』についての入力作業が進められている。 具体的な研究成果として、本年度の成果である『漢語英訳辞典』のデータの一部は研究計画者の研究活動に活用され、学術研究誌『文藝と思想』77号への掲載論文「明治期日欧言語交流史の一研究 ―青木輔清編『英和掌中字典』の訳語収載状況をめぐって―」にまとめられることとなった。当該論文は、『漢語英訳辞典』の出版された明治20年代の第二次英学ブーム期の下地が形成される第一次英学ブーム期において生まれた『英和掌中字典』を検討資料としたものであるが、編者青木輔清の漢語辞典『音画両引大全漢語字彙』はガビンスが『漢語英訳辞典』序文で主要な利用書目の一つとして挙げたものであった。『英和掌中字典』と『漢語英訳辞典』の二字漢語語彙を部分抽出し、さらに他の周辺辞書を交えた分析を行ったことで、明治期の日欧言語文化交流史研究に貢献する基礎的データの蓄積とその分析を進める一助とすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)研究計画について進行を維持している。 計画の手順に沿って「漢語語彙英語対訳データベース」の入力作業とその訂正・再入力箇所のチェックなどを進められており、計画達成に向けた作業進行が可能となっている。 (2)学術研究誌への研究論文の公表 本年度は『漢語英訳辞典』のデータを含む学術論文「明治期日欧言語交流史の一研究 ―青木輔清編『英和掌中字典』の訳語収載状況をめぐって―」の形で成果の一部をまとめ、審査付雑誌『文藝と思想』に投稿し掲載することが出来、明治期の日本語語彙研究について貢献することが出来た。 以上の2点から、総体的に見て研究計画の遂行はおおむね順調に進行できているものと評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)研究計画については基本的に進行を維持する → 研究計画の手順自体に変更は生じていないため、作業のペース・量を順調に伸ばしていく予定である。現在は、『漢語英訳辞典』欠頁部分の補填作業も終えたため、「漢語語彙英語対訳データベース」の入力作業も順調に運ぶ見込みが立っており、当初の計画手順に沿った作業進行が可能となっている。 (2)「漢語語彙英語対訳データベース」入力計画は入力の量とペースをあげる → 次年度においては、本年度において出来なかった補助入力者の採用と作業割当を適切に行って「漢語語彙英語対訳データベース」の充実を目指す予定である。 (3)研究成果の公表 → 次年度においても、学術誌に本研究の成果を研究論文として掲載し、日本語語彙研究の進展への寄与を計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)「次年度に使用する予定の研究費」について ①「漢語語彙英語対訳データベース」作成作業への優先的充当 → 次年度においては、本年度に採用が間に合わなかった入力補助者を適切に採用し、その賃金支出に「次年度に使用する予定の研究費」を優先的に充てる予定である。また、入力補助者とのデータやり取りやデータ集積に用いるUSBメモリやHDD等の機器類にも「次年度に使用する予定の研究費」を優先的に充てる予定である。 ②幕末明治初期を中心とした洋学資料研究に関する学術研究図書類の購入費用への充当 → 次年度においては、本年度に購入予定であった幕末明治初期を中心とした洋学資料研究に関する学術研究図書類の購入費用に充てる予定である。 (2)「翌年度以降に請求する研究費」について 研究計画に変更はなく、当初計画通りに変更なく使用させていただく予定である。
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Research Products
(1 results)