2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23520564
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Research Institution | Maebashi Kyoai Gakuen College |
Principal Investigator |
佐藤 高司 共愛学園前橋国際大学, 国際社会学部, 教授 (80390409)
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Keywords | ベイ表現 / 動態 / 北関東 |
Research Abstract |
研究の最終年度である平成25年度は、調査結果の整理・分析・考察を行い、研究成果報告書を作成した。 本研究の目的は、北関東3県における若年層及び中年層のベイ表現の使用実態を把握することである。研究方法として、各県の大学生及び社会人にベイ表現の使用意識に関するアンケート調査を行った。 主な調査結果及び考察は次の通りである。(1)地域差がある。使用意識が最も高いのは栃木、不使用意識が最も高いは茨城であった。(2)世代差がある。使用・不使用の意識ともに、若年層が高い傾向にあった。若い世代においては、すべてが共通語化に向かうわけではなく「方言志向」のグループと「共通語志向」のグループとがあると考えられる。(3)性差は顕著ではないものの使用意識は男性の方が高い。(4)世代別の地域差について、若年層では北関東全体の傾向と同様で、その差が顕著であった。中年層では、群馬の使用意識が高かった。世代により地域差やその程度が必ずしも一致しないのは、社会的な立場や生活環境の影響で中年層における共通語化の進展に差異が生じていることが要因と考えられる。(5)性別の地域差については北関東全域の地域差に一致し、ベイ表現使用意識が高い県は男性女性ともに栃木であり、不使用意識が高い県は両性ともに茨城であった。なお、栃木の男性では、推量表現のベイ表現が盛んに使用されているという調査結果が得られた。(6)性別の世代差については、男性女性ともに上記の世代差と同様であった。(7)ベイ表現については、全体的な傾向として、最有力なベイ表現に極端な地域差は認められないが、それに次ぐベイ表現に地域的な特色が見られた。世代差としては、若年層よりも中年層の方がベイ表現に多様さがうかがえた。また、推量表現よりも意志・勧誘表現においてベイ表現がより多く使用されている傾向が見られた。
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