2011 Fiscal Year Research-status Report
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23520585
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
内田 聖二 奈良女子大学, 文学部, 教授 (00108416)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 日英語比較 / 認知語用論 / 関連性理論 / メタ表象 / 引用 / 話法 / ダイクシス |
Research Abstract |
平成23年度はこれまでの科研等の研究成果を背景に本研究に至る橋渡しをおこなった。平成21年12月、22年度末にそれぞれ出版された、「関連性理論」(英語教育学大系第8巻『英語研究と英語教育』所収)、「引用とモダリティ:メタ表象の視点から」(『モダリティ―対照研究―』所収)を出発点としながら、英語語法文法学会でのシンポジウム「日英語の比較―話法あるいは引用をめぐって」を企画し、学会当日司会進行および講師(発表タイトル「メタ表象からみた引用」)を務めた。 また、5月には単著『語用論の射程―語から談話、テクストへ―』を刊行し、そこでも従来にない観点からの日英語の比較にかかわる考察をおこなった。12月にもメタ表象をキーワードにした研究を神戸市外国語大学英文学会で口頭発表(「ダイクシスと関連性理論」)している。 3月にはメタ表象に関する著書のある韓国Inha大学のE. -J. Noh氏と会い、日本語と同じ語順である韓国語との比較研究の妥当性と可能性について議論する機会があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はいままでの科研をはじめとする成果をもとに本研究テーマに橋渡しをするという研究目的は、単著『語用論の射程』を刊行したことでほぼ達成できた。また、英語語法文法学会でのシンポジウムでは、他のふたりの講師とのアプローチの違いを考察、議論し、メタ表象という観点からの日英語対照研究の有効性と可能性を改めて確認することができた。さらに、神戸市外国語大学英文学会での招待講演では他分野の出席者からもいろいろな意見を聞くことができたのは収穫であった。 韓国Inha大学のE. -J. Noh氏との面談では、メタ表象の観点からのいままで成果による日本語の特徴について説明し、同じような現象が語順を同じくする韓国語にないか確認したところ、類似現象があるので、それを今後の共通の研究テーマとすることで意見が一致した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究を踏まえ、次年度は日英語の違い、類似点についてより原理的な説明を探求する。同じく関連性理論の立場から日英語の比較に興味をもっているダブリン大学の笹本涼子氏との接点を探ることも考えている。また、韓国Inha大学のE. -J. Noh氏に研究協力を求め、日本語の特徴を韓国語と比較、検討することで具体的な成果をあげることを目標とする。 さらに、韓国語にも精通している、研究協力者O'Grady氏(ハワイ大学)の来日に合わせ、研究打ち合わせを行い、日本語、英語、韓国語の比較にも発展させる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2012年4月に奈良女子大学から奈良大学に移ったことにより、奈良大学における研究基盤を整備することを最優先課題とする。具体的にはパソコン、プリンター等の研究に必要な電子機器や、言語学、英語学、心理学等の基本文献を整備する。 また、2011年度は東日本大震災の影響により研究費の分割交付が行われ、研究費の使用見通しが当初立てることができず、予定していた研究前半の海外出張を断念したので、次年度は夏季休暇中に海外の学会参加や研究者との交流を計画している。 さらに、海外からメタ表象を研究対象とする研究協力者を招聘し、専門知識を学び、研究の深化をはかりたい。
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Research Products
(3 results)